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この物語の登場人物は、全員狂っている。月組「グレート・ギャツビー」感想~何かと物騒な話ではありますが、私は正直大好きでした~

月城かなと、狂気がうますぎる。(当方、ゴリゴリのれいこ推しです。)

 

 さーてさてさて皆様こんにちは!毎日…本当に暑いですね…もう暑いって言葉をいうのも嫌になるほど暑い。生きてるのも嫌になるほど暑いのに、コロナコロナであいつはまだいるのか一回ゴルフコンペで叩きのめしてやろーか…!!!(ええ声ちなつ声でリピートお願いします)

 毎年飽きないの?ってほど年々温暖化が話題になりますが、「あくるさんの最近月組めっちゃ好きやねん」度気温とともに上がってる気さえする。今年の夏。そうです。

 今、私の中で月組株が猛烈に買値をバコバコ上げてきています。(無言で「好きです」プラカードを挙げるあくるさん)(震える声で「当方、ゴリゴリのれいこ推しでございます…」←いつものやつ)

 SAY★YES!!裏社会系トップスター月城かなと大好きです!!!(※あくるさんの好みが至ってあぶない件)もう正直ね~…ルキーニしか目に入らない系女子なんでね~…(あぶない)((映像で)トートそんなことしてるんだ?へ~ぇ…(知らんかったわァ…)で毎度お馴染みあくるです★)

 ではでは参りましょう。月組VISAミュージカルグレート・ギャツビー感想スタートでございます~。正直、今のれいこ・ちなつ・おだのメンツで月組ミュージカルやられたらねえ、ただただ、「上手いってすげえな」って絶賛することしかできないっすよ…ねぇほんと…すごいよ月組(世界一軽くて浅い感想)(ちゃりーん)

 

月組グレート・ギャツビー

ただ、あのピンクスーツはなんだったのかっていう謎だけは残るんです。有村先生(うみちゃんの衣装が全部かわいくて最高)

 

「君を奪い返す!そのために生きてきたんだ」■月城かなと(ジェイ・ギャツビー)

 …なんか…文字にするとやたらと上のセリフが物騒なんですけど、そうこの話まあまあ物騒な話でございます。こ、こえーよギャツビー…。ってことでタカラヅカに入ってくれたことを感謝する」とあの小池修一郎に言わしめた月城さんのギャツビー。

 いや~、わかる。小池さん。(そっち!?)(まさかの小池さんに共感!?)

このギャツビーのれいこちゃん見たらねえ、本当に小池さんじゃなくても「ここに入ってくれてありがとう」って思うよね?ほんと、高校生のれいこちゃんにタカラヅカ見せたご友人ありがとうだよ…(ハムの準備)

 クラシカルなのに現代的。軽さと重さの絶妙な混じり合い。

 怖いくらいの執着愛。

 なのに美しく儚いラブストーリーに見えてしまう月城かなとマジック。

 私、実は瀬奈じゅんさん版のギャツビーを生観劇しているんですが…ごめん。当時全然ハマらなかったんです。(あ~~もうほんとごめーーーーん)なんでかはもう思い出せないけど、ぜんっぜん。日生まで行ったのに。ただ、あさこさんがシャツを投げているシーンはとてもよく覚えている。すごく楽しそうだったことは覚えている…!!(あさこさんが)(見てる私達も)。

 そして、映画のバズ・ラーマン版ギャツビー。まずもう私バズ・ラーマンフィルム大好きなんで(最新作の「エルヴィス」超よかった)このギャツビーが私の教科書です。プラダエルメスの超ラグジュアリーで美しい世界の中で、潰えたアメリカンドリームを池井戸ドラマの主人公のように生きるレオ様がなんか神々しかったです…そう、もう、よくわかんないけど神々しかった。(でもなんか可哀想なギャツビーだった)。

 なので、「グレート・ギャツビー」という作品は、プログラムでもれいこちゃんが言ってたけどその時代で描かれるメインテーマとか、演る人とか、監督とかで全然違う作品になると思ってて。「○○版はすごく好きだけど、○○版はそうでもないかな(逆もしかり)」がいつもの作品以上に出る作品じゃないかなと思うわけです。きっとアメリカでも「ロバート・レッドフォード派」と「レオナルド・ディカプリオ派」がいるんじゃないかな~。知らんけど。オタクは派閥をすぐ作りたがる。

 でもって、今回の月城版「グレート・ギャツビー」。

 私は、今回初めて「グレート・ギャツビー」という作品を心から楽しんだな!!(で、この話めっちゃこわいやーん…!!)と思うに至りました。ギャツビーってどういう人間なのかが、やっと私なりの解釈で掴めたような気がしたんです。

 それは、ひとえにれいこギャツビーが抱える「デイジーへの愛」が「どうしてそこまで愛せるのかはわからない、けどその愛は理解できる」っていうレベルで伝わってきたから。

 結局私には、ギャツビーが「どうしてそこまで」デイジーを愛せるのかはわからないままだった。今もそれはわからない。たぶん一生わからないと思う。でも、ギャツビーがデイジーをすっごくすっごく好きで、彼女のためなら死ねるくらい好きだったんだなっていうのは今回すっごくわかったんだよね。

 目線でわかる、「この女は俺のだから(手出したら殺す)」という独占欲。

 彼女が欲しくて欲しくてたまらないという渇望。

 この女を手に入れたい、守りたい、誰にも渡したくない、渡さない。

 痛いほど伝わってくる、ギャツビーのデイジーへの愛。

 れいこちゃんのギャツビーは、あまり「悲壮感」はなくて。デイジーが欲しくて欲しくてなりふり構わず必死なギャツビーを「可哀想」とか「つらそう」とは思わないんですよね。(実はレオ様版はずーっと「この人可哀想だな~」っていう哀れんだ目で見てました。サーセン。(レオ様のやる主人公だいたい「この人可哀想…」って見てしまうんだけどそれって私だけ?))

潰えたアメリカンドリーム感もなく、まゆぽんに仕事をもらえなくなったという事実に不安感もなく。なんなら、デイジーを語るときが一番楽しそうで、幸せそうで。このギャツビーは、彼女を見つめているときが一番優しい目をしている。

 「デイジー、君を愛してる」

 それがすべて。それがギャツビーの人生だった。

 

 とか思いつつ、やっぱり怖いものは怖く狂っているのは狂っている(苦笑)私が普通に「いや、ジェイ、それはいいっす(真顔でNG)」っていう系が「いつでも君を見守ってるよ」系のセリフ。「怖くなったらバルコニーの灯りを全部つけて。すぐに駆けつけるから(ニュアンス)」といったときのギャツビーのあの表情。THE真顔。…いやいやいやいやいや、そのジェイが怖くてすぐに全部電気消すからァァァァ!!!っていうのがまあ、こっち側の正直な感想なんですけど(笑)(あーもう、「ギャツビーのヤバい愛の告白」を投票ランキングしたいくらい。「どのセリフが一番れいこちゃんに言ってもらうとゾクッとしますか?」…組本ランキングでやりましょう?)(月組・夏の冷感祭り2022)

 でもなんでですかね…月城かなとという男役。「絶対に近づきたくない」「この男に近づけばこっちが破滅やで!」っていう男ほど魅力的。今から振り返れば、れいこちゃんがルキーニをやったあたりから私れいこちゃんにドハマリフラグ立ってたんだな…とは思う。(っていうかルキーニ演る人だいたい好きになる持病、持ってます)

 …運命って…やつな…(偶然を何でも運命にしてしまう病気:通称「ギャツビー病」(怖いんだって!思い込み!!ねえギャツビーそれは偶然!!)(って必死になって正気に戻そうとするまゆぽん(所属/親友・イケオジ)。(まゆぽん、思い込み激しい同期(柚香・月城)のお世話しがちよね…←…。)…でもまあ、偶然をなんでも「これって運命~!」て思える人ほど幸せなのかもな~とも思う。だからギャツビーって私が思うほど、不幸な人でも可哀想な人でもないんだよね。これがほんとに新しい発見で。目からウロコがボロボロです。

 

 新しい発見といえば、月城さんは私にとって新しい世界の案内人でもあるんですよ。「え?それってどういう世界なの?教えて教えて!!おしえてーーーん!!」という好奇心のみでここまで生きてきた人間にとって(あくるさんの人間成分99%好奇心)れいこちゃんはもはや「それ知らんかったやぁ~の泉」毎回ボコボコ湧き出てます。(トレビアの泉的な存在)(フル!)

 人間って、生きているとなんでも「これだったら、ここくらいまでかな」っていうのを無意識に設定しませんか?今日はここくらいまで。これ超えたらあたしすっごい頑張った!!って。私はそうやって毎日生きているんだけど(笑)。そしてコロナ禍によりその「これくらい」ハードルがどんどん下に下がっていくっていう寸法よ★

 私の中で、タカラジェンヌは私が勝手に設定した「これだったらこれくらい」いつも軽々と超えていくんです。ずっと。だからそれが楽しすぎて正直、やめどきがわからない(苦笑)毎回この期待を裏切って飛んでさらに期待で返してくれる。期待の倍返しが止まらないんですよね。

 で、今、私の中でその最たる人が、月城かなとです。

 れいこちゃんってだけである程度のレベルは約束される。けど、それを超えて、思った以上の100倍くらい記録伸ばして、さらに「えええ!!!まじで!?!?」「そうくるかーーーー!!??」っていう感情を休む間もなく見せつけられる感じ。大谷選手が投げて打って、それでアメリカ人大歓喜なのにオリンピックでバスケットボールしてトライアスロンして全部優勝、でもまだ元気!この人人間!?みたいな(微妙にわかりずらい)。

 わかってるのに、裏切られる。ギャツビーだったらこれくらい?というこっちのハードルをパーンと超えて、それは…知らんかったわァ…!!(降参)というギャツビーを見せつけてくる月城かなとよ。えーもうハマるしかないやーん(好★き)。

 

 ギャツビーには共感できない。でもこの人怖い。近づいてはダメ。そう、狂ってる。

そういった感情で終われればいいのに。

 でも彼の眼は嘘をついてない。私だけを愛してくれている。彼さえいてくれれば私は今度こそ幸せになれるかもしれない。

そう思ってしまいそうになるデイジーがいる。

 前、「ダルレークの恋」の感想で「五感全部で「ヤバい」って思うのに、最後のシックスセンスだけは「それでもいい」ってゴーサインを出すような男」とれいこちゃんのことを言ったんですけど…れいこちゃんはこの手の男がうますぎるわ。

 誰よりも純粋に、一途に、ひたすらまっすぐデイジーを愛しただけ。

 努力して、仕事して、金を稼いで、人を愛して、愛した人を想いながら死んでいっただけ。

 どの映画より、どの俳優より、れいこギャツビーは人間らしい。デイジーの目をまっすぐに見るギャツビーが誰よりも幸せそうだった。

 

 衣装の話。有村先生のセンスが一番生きるスーツと信じて疑わないコーディネートの「ロングコート+三つ揃いスーツ+ソフト帽」のれいこちゃん。もぐり酒場の登場シーンの「私がそう、ギャツビーです」といったグレーのコート素晴らしかった。れいこちゃんほんと、クラシカルな装いがめちゃくちゃ似合うんですよ!!(みんな知ってると思うけど!!)あの帽子さっと投げた瞬間、観客全員ただの月城かなとの女になるっていう。

…ただ、あのピンクスーツはどうした有村。って真顔になる案件(初めて有村先生を呼び捨てにした日)(あっ、あのへんでギャツビーの狂気が徐々に出始めるから、視覚に優しい緩衝材的な役割でのピンクスーツっていうまだ有村先生を信じたい民のおめでたい脳)

 それにしてもれいこちゃん、「もう謝る必要ないってみなさん言ってくれるんですけどー、こちらとしては謝りたくてー。コロナがどうもすみません★ビジネスマンのできる謝り方)」ってひとこと謝って、「じゃ、東京も頑張りますんで!私帰りますね!!今日もありがとうございました~!!(笑顔)はい、解散。」っていうなんかもう「あの(情緒・事実共に激重)芝居した後とは思えない(時間と感情の)無駄を省いた挨拶」すぎてスキ………ってなった。もうそこまで含めて

 月城かなと、この人ただ者じゃない。(完)

 

気まぐれデイジー、恋の炎は燃えてそしてあっけなく沈下して■海乃美月(デイジー

 とにかく当方はゴリゴリのれいこ推しなんで、今の月組になるとれいこちゃんの話題一辺倒で喋り続けてしまうのだけど(しゃーないやーん、好きなんだもーん)一回冷静になってみるとやっぱりあのドクレイジー人間ギャツビーのお話として成立しているのは、あの愛を一心に受ける海デイジーがもう、本当に抜群に上手いんだと思います。

今回も月城かなとの5万キロくらい重い愛を軽々と拾って投げてかわしてそして捨てる海ちゃん。その華麗なるそのフォームにニューヨークヤンキース球場がどよめいたという…。(さっきから大谷とか球場とかなんなのほんとに)←よくわかってないくせに使う

 恋に狂っているれいこギャツビーと一緒に燃え上がったかと思えば、サーッと引いている。ギャツビーも気づかないうちに、私達も見ているうちは気づかない。気づかないほど巧妙に、さりげなく。もう気づいたらそこにはデイジーはいないのです。

 1幕のルイヴィルの森の逢瀬。初恋のときめき。初々しい天真爛漫なデイジー(海ちゃんはこの天真爛漫からの大人の女性への変貌具合がもうピカイチ!!)金髪のロング巻き髪ハイティーンデイジー可愛くってな。「王女と王子」、ここのギャツビーとのナンバーが本当に好きで、可愛くてニコニコしてしまう。

 ギャツビーと別れた後、「風と共に去りぬ」のスカーレットのごとく熱唱する「オバカさんになるの」と決意表明するシーンはなんだか悲しくなる。そんな決意せんでもいいよ、いいじゃんあなた賢いんだから!って言ってあげたいけどそんな雰囲気じゃないしなー(ちーん)。下手なこと言うとさち花さんにはっ倒されそうだから、黙ってるしかできないけど、言えることなら私が言ってあげたい。

 デイジー、あなたは賢く生きる権利がある。

 愛する人に愛されて、幸せになる権利があるのよ。

オバカさんになると決意したけど、それはデイジーにとっては不幸せになる決意、ということになることを誰も気づけない悲しさ。どうでもいいけど小池芝居、本当に平手打ち数多すぎない…。時代といえどもそれでも多すぎない…。

 「次…いつ会える…?」吐息混じりの甘い誘惑。初恋の人との再会、甘いときめきの再来。ここでこの誘惑に抗えたら「よくやった!!デイジーえらい!!」と褒めたい。でもデイジーの返事は「パーティーに行くわ」。

 (…だよね~…。)(心の声)

 道徳として共感しちゃいけないかもしれないけど、正直ここはデイジーに共感と同情しかないわ。パーティー、行っちゃうよね~。目の前で、まっすぐ迷いなく「君がほしい」といっているかつての恋人。

 ギャツビーそれずるくない?

NOと言える女子いたら挙手して教えて。私だったら断れません(きっぱり)。私はデイジーのことを批判できない。同じ人間として女性として。これはずるい。これは無理。デイジー、もう見守ることしかできないよ(立ち位置:彩みちる)

 燃え上がった炎はもう誰にも消すことはできず(れいこ海はこの「燃え上がってそしてあっけなく沈下する」恋が異様なほど似合うよな~…)デイジーは罪を犯し、その罪をギャツビーが引き受け、かつての恋人は死んだ。

 映画版にも小説にも描かれてない、死んだギャツビーに花を葬るデイジー。ここのデイジーの表情があの生き生きとルイヴィルの森を駆け巡った少女の面影も、ギャツビーとの恋に胸を高鳴らせていた女としての輝きも一切なくて。

 もうそこには、私達の、ギャツビーの愛したデイジーはいなかった。

 

 私が海ちゃんがすごいなと思うのは、いわゆる女性からはあまり好かれない女性像をガンガン共感対象、「私はわかるよ、仕方なかったよねあの時は」っていう言葉をかけたくなるヒロインを作り上げること。 

 どーしても「どうしてそういうことするかなぁ~!!」っていうヒロインいるじゃないですか。(笑)タカラヅカ作品問わず、映画も本も現実でも「わからんだけど~!!なんでそういうこという~!?」っていう人は少なからず、いる(苦笑)。

海ちゃんて過去、好かれづらい、一歩間違うと総スカンされるキャラクターを結構やってる気がするんですよね(笑)これは海乃美月に与えられた試練なのかな~とそのあたり毎回思って見てたんだけど。

 主観でしかないけど、ゼルダフラムシェン、アンナ。人によってはカマラもそうかな。みんなそれぞれ恋愛スタイルが超個性的じゃないですか…。見る人から見ればわがままでしかなくて。恋愛体質で、男性本位。他人軸。

ちゃんと物語を見据えた上で、あとから見ると、その時代で生きるために必死だっただけの女性たちなわけだけど…その時は「なんだかな~!!」と誤解されやすい女性たちではあると思うんですよ(個人的な意見ですけど)わかるんだけどね…それしか生きる術がなかったんだよねぇ、ゼルダもフラムシェンもアンナもね…

 っていう、ざっくりと「どうもこの子とは友達にはなれそうにもないぜ」っていう女性を演っていく中で海ちゃんはどんどんそっち系のヒロインの魅せ方が得意になっていて(笑)でもこれは本人のキャラクターというか、性格なんだろうな~。

 嫌いになれないんですよ。

 むしろ、「わかる、そういうのって人間誰しもあるよね…!」という思わず肩を持って擁護したくなるキャラになっている。あれ、なんかこのヒロイン、ちょっと私に似ている気がする…?そんなふうにも思ってしまう。すごいと思うんだよねえ。

 道徳的に、地球のルールで、不倫はダメ。娘がいるのに旦那以外の人を想ってはダメ。みんなわかってるから応援はできない。けしかけることはできない。ふたりにとって幸せであっても、それが間違ってるとわかっているから。

 だけどわかるよ、ギャツビーを愛していたことは。そこまでしかわからないけれど、一世一代の命をかけた恋だったんだよね。そうして魂が抜けた王女を見守ることしかできない私達を許して。そんな気持ち。共感と同情と擁護。

 海デイジーは海の向こうでも、おそらく幸せにはなれないだろう。でもギャツビーと一緒になっても、結果は同じだった気もする。デイジーは「オバカさんになる」と決意したときに、もう自ら幸せになることを放棄してしまった。それがデイジー。それ以上でもそれ以下でもない、ギャツビーに愛された女性。

 

 もうジャズエイジな衣装たちが海ちゃんめっちゃくちゃ似合っててサイコーなんですわ。ターバンみたいなヘッドアクセも、羽飾りも、ミニ丈のドレスも黒のキラキラも全部似合う!!もはや禁酒法の時代の衣装を着るために生まれたといっても過言ではない!!(断言)黒のレースタイツがあそこまで似合う娘役、なかなかいません…!!眼福。マジ眼福。

 エンジのドレスでのデュエットダンスがすごく素敵でね~。れーこ海のデュエットは物語の延長上にある感じがしてすごく好き。正直、ギャツビーとデイジーの結末はどこまでいっても悲恋なんだろーなって感じなんだけど(あそこでああなってれば…!がまず考えられない←悲しいね…)デュエットのときは、ギャツビーとデイジーが王女と王子だった頃に戻ってる。すごいことだと思うの。ふたりのストーリーは一貫してて、どこを切り取ってもギャツビーとデイジーの物語になる。

 いやー、参りました!完敗でございます!!

 

ふたりだけでもう8000文字近くなってるのですが(…え?)二番手以下も揃いまくってます、月組。モーヤダー!オペラが足りなんだけどー!!(目が足りないじゃなくて、オペラが足りない)

 

スーパー行くかの如くサクッと不倫■トム・ブキャナン(鳳月杏)

 みんな大好きちなつさん案件。悪役っていうか女の敵なトムなんだけど、もうちなつさんの時点で「いや、好きにならない?普通に無理でしょ(即答)」っていう。「ちなつさんが外歩いてたら好きになっちゃうでしょ?(自然の摂理)」っていう。もうちなつさんをトムに配した時点で答えが出ちゃってる感があるのでもうその時点で今回のギャツビー成功しちゃってるんですよね~…。ハーァ。(=なんだよ最高だな)

 個人的にちなつさんの「THE年上のいい男」といった匂い立つような色気が好きなんで、天紫珠李ちゃんとか結愛かれんちゃんといったキャピキャピギャルたちとベタベタするシーンが「トムお前ってやつは…!」って思いながらも「でもしょうがないよな~ちなつさんだもーん!!」っていう試合放棄になる自分が嫌いじゃないです。でもなんでだろう、ちなつさんだと不思議といやらしさ、出ないよね~。不倫にもシトラスの香りが漂ってきそうで、ちなつさんってすごいよね~(真顔)

 トムは不倫は文化だと思っている側の人間だと思うので、何に対しても罪の意識があんまりないんですよね。麻痺しているというか。不倫も、人を車で轢くのも、お金をバカみたいに使うのも大して問題じゃない。

 ただ、デイジーが自分以外の人を好きになることだけは許さない。デイジーがっていうより自分のプライドが許さないんだろうなあ。可哀想な人だ。

 この物語の登場人物は全員狂っていると私は思っているんですけど、一番可哀想と思うのはダントツでトム・ブキャナン。狂気の中に、哀しさが含まれていて。この人が一番さみしいんだよな。だからなんでもお金で買えると思ってる。スーパーで野菜買うみたいに愛を買えると思っているんだよな~。違うと思うけど~、トムよぉ~。

 ただもう何回もこれ繰り返しちゃうけど(気に入ってるんで)

トム・ブキャナン(最低)=フィナーレの歌手(さわやか)=鳳月杏(結婚したい相手No.1)

という数式が何回やっても脳内バグ起こすんで、ちなつさんってすごいよね~。ねえ…悪役しても、いい男しても「それがちなつさんだから(それでいい)」で終わる世界ってウツクシイ。ちなつさんの多様性…。

 それはそうと、1幕最後のパーティーシーンでれいこギャツビーとちなつトムとニックおださんが交差するシーンでトムの衣装がひとりベストが柄で、その柄がゴールドのまだらみたいないかにも「ムズッ!」って感じの衣装なのに「パジャマです」みたいにさらっと着ててしかも似合っちゃってるちなつさん素敵すぎた。あの人ゴールドの衣装さわやかに着こなしすぎひん…?なあ、似合いすぎひん…?

 

♫こっいっのっホール・イン・ワッン♫■ニック・キャラウェイ風間柚乃

 ニックは物語に直接からんでこないし、狂言回しというより「エピソードとエピソードの渡し船(箸休め)」的な役割なので印象には残りづらいけどもその印象に残らなさがニック・キャラウェイという男なのでやっぱりおださんは今日も天才(それしか言う事ないんか)。

 いや!私、今回十分ニックにも狂気感じましたよ。なんていうのかな…何が起きてもしれっとしているというか、他人事と思っている感がすごい冷たく見えて。ドライな人だよなあって。さすがに事故の時は動揺してたけど、それ以外は「へー」って感じで事の顛末を見守ってる感じ。毒にもならない、薬にもならない感じがおださんクラスになってくると難しいんじゃないかなと思うのです。普通におださんだからなんかあるのかなってこっちは見るし(笑)ま、でもいうてもニックなんでね。肉付けもなにもないわけだし。

 あえて、何もやらない。アクション起こさない。バカにされても平然と鈍感でいる。(80ドル?→週給よね?→月給だよ。→うっそ!信じられない!って流れ、現代だと完全にモラハラ案件だけどそこはスルーできるニックとこの時代ってすげえってなった)

 個人的な意見だけど、みちるジョーダンにさくっと捨てられるのは納得の案件であったのよね~。見方によっては「ジョーダン、それはきつすぎる」ってなるのかもだけど…ニックは一緒の世界に住むにはあまりに無害で透明すぎるのよねえ。みちるに一票。(投票制!?)

 ただ、ゴルフを教えてもらう時に顔を近づけた際黙ってキスするのはおださんでした。うん、この子、できる!!👍(おださんのポテンシャルを垣間見た瞬間)

 あと、ブラウン系チェックのヒジ当て付きスーツ(この時代あるある)がめちゃくちゃ似合うの、月組~~!!って感じがする。

 

 相変わらず月組は芸達者揃いでどこを見てもドラマが生まれている感があって。ひとりひとりがクリエイターで、物語を創る想像力とそれをこなす演技力があるのだなあと、毎回毎回飽きもせずにうなります…。時間と回数が許すのならば、ひとりひとりの物語を聞きたいくらい。ウエイターひとり、取り巻きひとりにも人生はある。その人それぞれが歩いてきた、道が見える。

 これは狂気の物語。ひとりの男の狂気が狂気を呼んで、破滅に向かう物語。

 自他ともに認める破滅系ストーリー大好き人間ですが(苦笑)ただ破滅すればいいわけじゃなくて。破滅に向かうにも、それぞれ理由があって人生があると思うんです。

 私は、自分と違った価値観や人生を送っている人に人並み以上の好奇心があるのかもしれない。違えば違うほど面白い。自分とかけ離れた人ほど、知りたい知りたいもっとその話ちょーだい!!ってなるんだと思う。

 れいこちゃんはそれがれいこちゃん自身がそうなのかはわからないんだけども、本人からかけ離れていればいるほど魅力的に、かっこよく、言葉にできないものを表現するのが得意で好きなのかな、と思っている。れいこちゃんの育ちや発言からギャツビーが生まれてくるとはたぶんご両親ですら、ファンですら思ってもいなかったと思うんだよ~(笑)

 だから面白い。だからやめられない。

 …ま、それが、こういう結果(望海風斗からの月城かなとライン、裏社会系トップスター大好き)ってやつなのかもしれないっすね(他人事)

…でも勘違いしないでください、私だって結婚したい相手はちなつさんです。(真顔)

 

 以上です!!次は週末の「心中・恋の大和路」配信でお会いしましょう~やったー!恋に狂った和希そらだぜっ!!(←大好物)

 それでは~散ッッッ!!!!(※花組