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歌え、雪組!歌え、歓喜の歌!!最高に楽しい音楽の時間、望海風斗の時間。雪組公演「fff」感想

望海さ~ん、あなたの舞台は素晴らしかったー!!(歌え歓喜の歌ー!!)

 

 皆様こんにちは~。連日お世話になっております。あくるです!歌劇2月号、ご覧になりました…?雪組が誇る孤高のイケメン朝美絢と(年末にカニをさばいたりーしゃパイセンに渾身のツッコミ)「同期のイケメンだいたいマブダチ」の愛すみれ先輩の書面上の往復書簡みたいなの、めっちゃ好きなんですけど…!困ったら愛すみれ先輩に相談する朝美絢、はもとより月城かなとや瀬央ゆりあ(←95期でイケメンで文才がある人たち)の「今月も書けないよー!!」というお悩み相談一身に受ける愛すみれ先輩。ただ結構「気合で書け!!」とか根性論叩き出す感じの男前な感じがめっちゃ好き。

 と、いうことで、雪組公演「fff」。たぶん最初、私、くーみん文学、くーみん哲学を真正面から受け止めすぎてて「はー、全然わかんない…」とか思ってたんだけど、結論久美子さんが伝えたかったこと、書きたかったことは「望海風斗に歓喜の歌を歌ってほしい!」っていうシンプルなところなんだろうなと。望海風斗のタカラヅカの舞台は素晴らしかった!!ってみんなで歓喜して、お祝いして、イエーイ素晴らしかったよねー!!って送り出したい。ただ、頭が良くて哲学展開しちゃうからこっちも小宇宙を漂う(笑)考えてみればこっちは年明け連続で「いやもうベール長すぎるから」っていう見れば誰でもツッコめる原田コメディでゲラゲラ笑ってたんだから!しゃーないしゃーない~。

 正直くーみん哲学の世界はわからない!!(バーン!)でもわかることも結構ある。望海さんはやっぱりすごいトップスターってこと。彼女が作った雪組の世界はとてつもなくすごい世界だったこと。歓喜の歌でわかりやすく「すごい!音楽ってすごい!雪組って、タカラヅカってすごい!!」と思えること。それだけでいいじゃない、ALL OK、この人生は素晴らしかった!!すっごく楽しそうに舞台で歓喜するルイ望海風斗を見れて「素晴らしい時間をありがとう!!」と思えて幸せだった!

 ということで雪組「fff」感想始まり始まり~。「アナスタシア」から空っぽのオケピを見るのが結構つらかったんだけど、「空いてるなら埋めてしまえホトトギスといわんばかりの鬼才久美子の才能が猛威をふるってたので横で見てた還暦「転んでもただじゃ起きないねえ…」っていってたのが印象的(あの演出サイコーよねー!!)

 

雪組公演「fff-歓喜に歌え!-/シルクロード

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脇役まで歴史上の人物っていうのがいいよねえ。ひとりひとりのドラマが見える雪組芝居が大好きです。

 

苦悩して、運命の扉を叩いて、歓喜する  ルイ(ベートーヴェン)/望海風斗

 

 まあ、サヨナラ公演だし望海さんだしってことで書いてくうちに望海さんとの思い出話みたいになってしまうのだけは気をつけたいなと思いつつ。あくまで今回の感想を書きたいなと思います。私ね、望海さんの絶叫好きなんですよね。声量もめっちゃあるしパーン!!と明るくてわかりやすい声だから「素晴らしかった!!」とか「だーーー!!!」とか、「千!秋!楽!!」とか望海さんが叫ぶたびに高揚する自分がいる。

 見終わって思ったことは、ベートーヴェンってすっごいつまらないシンプルな人生だったんだな、ってこと。あ~、だから今までのベートーヴェンを題材にした作品ってそんなにヒットしなかったんじゃないかな~って腑に落ちる。比べるわけじゃないんですけど、ルイと同じようにモーツァルトって数々の名曲を残して、でもルイと違ってその人生が結構面白おかしく書かれてて、「アマデウス」始め結構熱くなるじゃないですか?「モーツァルト!」然り。それはモーツァルトの人生自体にものすごいドラマがあるからなんだよなあ。私のモーツァルトの知識は帝劇の小池さんの「モーツァルト!」が100%なんですけど(本当に帝劇小池シリーズで一番好き!再演するたびに見に行ってる)めっちゃ積極的に人と関わりにいってるんですよね。コロレドとド派手なケンカしたり、女と遊んだり、散財して借金したり。下手くそなんだけどガンガン「ねえ俺モーツァルト!遊ぼうよ!」って人と関わりに行く。

 だけど、ルイってもう「人、NO!」じゃないですか。シャットアウト、ゲットアウト!!俺の世界がわからないやつ強制退去!!全面濃厚グレーみたいなドイツで、風呂も入らず食事もとらず、ずっと仕事をしている。おまけに耳はどんどん聞こえなくなってきてさらに「自分だけの世界」が加速する。ワーカホリックの音楽バカ。「ペンじゃなくてパン!」のだいきほのやりとりがすごくらしくてね、うまいなあ~って思ったんだけど、きっとルイに声かけたり、「君の音楽は最高だよ」っていってくれる人も絶対いたし、お近づきになりたい、って思ってたご婦人もいたと思うんだけど、彼にその声は聞こえない。すごく寂しいなあ、って切なくなる。ルイ、とりあえずルドルフあやなあたりから始めてみようよ?きっとあやなちゃんならあなたの話聞いてくれるよ?って思っちゃう。あやなちゃんのああいう「僕はわかってるよ」っていう雰囲気醸し出すのすっごくいいよね。(「ワンス」のニックもすごくそういうところよかった、でも報われないのよね~~あやなちゃん・・・)

 どんどん耳が聞こえなくなる描写がすごく切なくて、メッテルニヒ(ダークカリ様最高です)が無表情で補聴器を渡して「nnnnn…?」って戸惑いながら補聴器を使うルイがすごくベートーヴェンだった。ベートーヴェンにしか見えなかった、もうこれからテレビとかでベートーヴェン肖像画見かけたら「あ、望海さんだ!」って思うと思う。(※望海さん的に嬉しいことかは定かではない)望海さんって、表情が完全にミュージカルの人だからすごく感情がわかりやすい。「楽しい!!」って言うときはもう子どものようにたのしーーー!!生きててよかったーーー!!」ってはしゃぐし、「悲しい」と言うときは「この世の終わり…生きてる意味ないわ…」っていう感情のわかりやすさがすごくわかるーってなる。「nnnnn…?」ってわかりやすく戸惑う表情を見て、ルイを理解できた気になって、あ、この世界わかった!!ってなる。だからこの人のミュージカルをずっと見ていたいなって思う。

 ルイは「人、NO!YOU、ゲット・アウト!!」が基本ベースだけど、推しが2人いる。しかも結構強化担で勝手にイメージ音楽捧げたり、あなたの作品に勝手に曲つけちゃいました聞いてね!って送っちゃったりする強化担。その二人の推しがナポレオンとゲーテ銀橋の真ん中でベートーベンが歌って、両端のスッポンからナポレオンとゲーテがセリ上がってくる演出にもうほんっと胸が高鳴って。ナポレオン(バーーーン!!)ゲーテ(ドーーーン!!)っていうあのわかりやすさ本当に最高で最強。

 そのルイの「この二人もうめっちゃいいかんじ!!推せる!!」っていう感情が手に取るようにわかる望海さんの演技。なんかすっごく可愛くて、ドイツの偏屈おじさんが一気に隣でペンラ降ってる同志みたいに思えてくる。きっとルイはナポレオンが皇帝になった時本当に絶望して「そんなん僕の知ってるナポレオンじゃない」って思って裏切られた気持ちになったし、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」を読んで「僕をわかってくれてる!!」って高揚して本を抱きしめたりしたのだろう。

 望海さんてこういう表情でものすごく「こっち側」に寄せてくるの本当にうまい。基本「この人の人生全然うらやましくない」「この人よくわからない」っていう人物するのに、「ファントム」でクリスティーヌの声を聞いた瞬間「この女性こと僕好きだ!」っていう表情をする望海さんを見て、エリックがたまらなく愛しくなる、っていうことが何度もあったように思うのね。遠い人物、よくわからない人物を感情でこっちにぐいぐい伝えてくる望海さんって本当にすごいなあ。技術もすべてすごくて上手い、なおかつ感情がちゃんとある。だからわかりやすくて理解できて、この舞台楽しかった!ってなる。一番大切なことがしっかりわかる、ってすごくいい!!

 途中まで「あなたそれ生きてるうちに答えはでるの…?」ってことですごい苦悩するルイ(眉間のシワの寄せ方ひとつとっても「その表情きっとベートーヴェンしてたと思う!」って(ベートヴェンに会ったことないのに)思うことができる望海さん)、シベリアのナポレオンとの場面で「人の役に立つ仕事がしたかった…」とつらそうに、絞り出すように言う。どれを「なーにいってるんだよ、人生そこそこでいいじゃねえか!!」って豪快に笑い飛ばす咲ちゃんナポレオン。私、「繊細な望海さん、豪快な咲ちゃん」っていう舞台上の設定2人がすごく好きなんだと思う。たぶん実際の2人はその役割は逆なんだろうけど。望海さんトップ時代の作品が次々思い出される。久美子さんは本当にオマージュがうまいなあ、過去の人の作品を大切にできる人なんだな、でも反骨精神すごいな!と(笑)私は時折久美子さんを見ると逃げ恥のみくりちゃんを思い出すよ…。

 私たちは望海さんの舞台を見て、ただただ歓喜する。人生は素晴らしかったー!!って上手から下手まで本当に嬉しそうに、野原を駆け回る子どものようにはしゃぐ望海さんを見て、ああ、完結した!!って思った。きっとすごく彼女にとって、いろいろ大変なこともあっただろうけどそれを忘れるくらい楽しいタカラヅカ生活だったんだ!!って。ベートーヴェン歓喜の歌めっちゃいいでしょ!めっちゃすごいでしょ!!私の雪組最高でしょ!!タカラヅカって素晴らしいでしょ!!!」って望海さんが舞台上で叫んでるように見える。「わかる、最高だった!あなたの雪組もすっごく楽しかった!!!」って笑顔でいえる自分がいる。涙は退団が悲しい、寂しい涙じゃなかった。「あーもう本当に最高!」って思って涙が流れる。「ありがとう!」って思って涙が止まらない。

 前言撤回。ベートーヴェンの人生はつまらなくなんかない。きっと最高だった、素晴らしかった。望海さんがそう伝えてくれるんだから間違いないんだ運命よ!!

 ショーがねえ~、本当に「僕の見たかった望海風斗コレクション(ジャララララ~)」っていうターバンターバン宝石キラキラターバンっていう、生田くんの趣味の世界全開でね(笑)反骨精神の塊ながらも「望海さんのこの作品すごく素敵でしたよね?一緒に愛でましょうよ」ってちゃんとオマージュしてくるちゃんと大人な久美子さんに対して「最後だから僕のやってほしい設定全部やってよ」っていう「これが僕の好きな望海風斗」全開の生田くんがもう本当におかしくて面白くて。自分の「好き」がわかりやすい作家が私は大好きなので「シルクロード」すごい楽しかった!私も、やっぱり望海さんにターバンはしてほしいのよ、最後も小物使いの望海風斗、チャラチャラした装飾品めっちゃ似合う望海風斗はやっぱり見たい(笑)。最後はシンプルな黒燕尾を着てくれたのでよし!!サヨナラ公演で上海マフィアする人まあいないと思うけど、規格外だったトップスター(マジで最後まで理想やらなかった…)の望海さんなら最後まで「これ見たことないな~!!」でいいのよね!っていう満足感でした。(生田くんの世界私やっぱりめっちゃ好き)

 

 ピンクが似合わないのは真彩希帆の最大の魅力 謎の女/真彩希帆

 まあやちゃんのピンクブリブリ似合わないの最高じゃないですか?って真顔で思う。規格外のトップスターの相手役っていうのはやっぱり規格外であって。ピアノの上に乗って真っ黒いドレス着てつまんなそうな表情で登場する「謎の女」で満足度100%を叩き出す娘役、真彩希帆。まあやちゃんの「きゃはははは!!」っていう高笑いがすごい好きだ~。

 上記でも触れたけど、「ペンじゃなくてパン」のところのやり取りが最高にだいきほでね。(ん?逆?間違ってたらすみません、ニュアンスで★)すっごく低い声で「ペンじゃなくてパン…」と「なんなのこの人?ヘン!!」っていう顔でルイ望海さんを見る真彩ちゃんに「なんだこの女?ヘン!!!」って顔で謎の女真彩ちゃんを見る望海さん。お互い「この人ちょっと私ワカンナイ」っていうことを思ってるだいきほがやっぱり、同じところで同じ速度で同じくらいの目線で歩いてきただいきほなんだよなあ。望海さんと真彩ちゃんは相手役と言うよりはソウルメイト。望海さんについていきます、じゃなくて「そんなところでぼやぼやしてると置いていきますよ★」っていう真彩ちゃんがいい。

 きっと従来のタカラヅカならば、10年前のタカラヅカであれば、たぶん「謎の女」はトップ娘役はしない。ベートーヴェンの一生涯をやるになってもロールヘンを永遠の心の女性として「天才でも恋はうまくいかない、でもずっと彼女を想ってる…」的にまとめたと思うんだけど(ああ、景子さんならこれやりそう)(「ベートヴェンの恋~愛と運命の果に~」)そこはね、鬼才久美子が才能振りかざして「でも真彩ちゃんならこうでしょ!!」とばかりにルイに歓喜の歌を書かせる女として謎の女を真ん中にする。そういう鬼才の才能、アイデアとまらない!ってならせる真彩希帆ってやっぱりすごい。(いやなったかは知らんけどな)

 ゲーテと会う場面で、「お前の声は聴こえるからな!」って乱暴に言うルイを「はいはい」って顔で受け止める謎の女。ちょっと考えてしまうと「望海さんは全世界の音が聞こえなくなっても真彩ちゃんの声は聴こえるってなんかロマンチック~!」っていう少女マンガ脳発令しちゃうんだけど(笑)、謎の女が「あーはいはいわかったわかった」っていうテンション(めっちゃローテンション)の顔をされるので(なんなら「早く家帰りたい」っていう顔)すごいこう、ときめいて(笑)舞台上では落ち着いた、リアリストで少し冷めた雰囲気の女性が真彩ちゃんは似合うと思ってるので(だから「ワンス」のデボラがめっちゃ好き)いい真彩ちゃんだな~って見てました。すっごくらしいよね、さすがです!

 最近トップコンビの愛のカタチって自由なんだなって。私は相手役と常にラブラブ愛し合ってます!毎回結婚!!っていうような(っていうかそれはれい華)そういうトップコンビが大好きな一方で、だいきほのような「まあ、この人、変人ですからね。」ってお互いのこと一線引いて思ってそうな2人だけど、この2人は魂の波動は一緒できっと誰よりも理解しあえてる2人、っていうのすごい素敵だなと思うのよね。あくまで対等で、相手役と言うより同志で、仲間のひとりで。でも、きっと自分のことを誰よりも理解して受け止めてくれる。まあ全然わかんないっすけど。みたいな。そういう雰囲気が毎回あった2人が新しい時代を作り上げていくんだろうと。

 愛しているし愛してくれる、っていう関係じゃなく(もちろんそれが素晴らしいトップコンビもいる)「この人まあ全然わかんないけど隣りにいるのは居心地がいい」くらいのだいきほテンションが大好きでした。次に会うときは帝国劇場でヒロインWキャスト!!っていうわかりやすいドラマを期待してしまう私がいるので(笑)「ほんっとあなたピンク似合わないね!」っていう望海さんに「望海さんも王子様似合わないですしね!!」ってケラケラ笑いながら返すような真彩ちゃんが望海さんの相手役でいてくれて本当によかった!!

 真彩希帆、あなたのハスキーな声も、高いカーン!とした声も素晴らしく、ピンクもフリフリも似合わない、だけど最高にかっこいいタカラヅカの娘役らしい、あなたが大好きでした。楽しい音楽をありがとう。上海マフィアの場面で低音ラップを歌う真彩ちゃん、かっこよかった!!(最後に大好きなネイビードレスの大盤振る舞いありがとう~!)

 

 さて~、今回も数々のドラマを見せてくれた2番手以下スターたち。背景に「バーーーン!!」「ドーーーン!!」って書き込みたくなるキャラクターばかりでね、この厚さと重みと深さと湿気、ナニ…?って思いながらもこれクセになるんだわよ…一度味わったらやめられないんだわ…(望海さんがハマってきたアヘンのように←望海風斗ジョーク)

 

ナポレオン・ボナパルト /彩風咲奈

 咲ちゃんのさあ、まあ人生において結構大事なんだけど、それあんまり大声で言う人いないよね?っていうセリフの言い方が大好きなんだわ。そう。「そ、こ、そ、こ、だ!!」と「肉を食おう!!」は完全一致の同意語です。私の中の咲ちゃん名語録。まあまあ結構日常的に使える。(図らずとも久美子と生田)

 きっと咲ちゃんが二番手じゃなかったらこのドラマは生まれてなかったであろう。咲ちゃんの懐のでっかさはナポレオン並だ!!と太鼓判を押したい自分がいるのです。戴冠式の場面がほんともう、圧巻のゴージャスと厳かな美、といいますか。咲ちゃんて、決して派手ではないけど(望海さんは真紅の大輪の薔薇だと思うけど、咲ちゃんは真っ白な百合とかさりげないけど強い美しさを感じる)やっぱりすごく「ああ、この人絶対偉い人」みたいな、圧倒的でかいオーラを感じるのよね。(おキキ様然り愛ちゃん然り、93期スターってそういうところない?)

 あ、全然話飛ぶけど、戴冠式の場面すごくセリが高いところまで動いてて、それだけで舞台機構オタク(私)はもう「うわあああああ!!!!」って目をキラキラさせちゃったんだけどこの舞台、きっと装置の大橋先生「殺す気かくみちゃん!!」って思いながらコンパス使ったし現場の舞台進行さん「絶対コロス久美子」ってギリギリさせながらセリ盆毎日0.0005秒の世界で戦ってるんだろうなと。お察しします…。でも本当にすごい立体空間、空間計算。舞台が浮き上がってくるこの興奮。素晴らしすぎる大劇場の装置。スタッフのみなさま、最後まで安全に…!大橋のおじいちゃんにはね、「わしが修ちゃんの舞台も久美ちゃんの舞台も正塚の舞台も作ったんやで!すなわち一番えらいの、俺やで★」っていう自慢話いつまででもしてほしいので長生きしていい仕事してください★(ほんと大橋おじいちゃんの自慢話大好き)。

 で、話を咲ちゃんに戻すとやっぱりベートーヴェンのお悩み相談のシベリアの場面がやっぱり秀逸だった。基本的に上記で挙げた、「望海さんの繊細な悩みを豪快に笑い飛ばす咲ちゃん」が好きなので「そこそこだ!!(どーん)」みたいなナポレオンすっごいいいし、この人なんか、浅そうに見えるけど深い…!みたいな只者ではない、っていう雰囲気作り上げるの最高にうまい役者だと思う。「勝利のシンフォニー!!」って勝手に2人で興奮しだすところはやっぱりこう…「あ、この人たちやっぱりヘンだ」っていうアレ(笑)がやっぱりたまらなくて。一般人、凡人にはわからない、何かでつながってる。この2人、思考回路や方法は全然違うだろうけどゴール、目的は一緒なんだな、っていうのが望海さんと咲ちゃんの関係性なんだろうなと。それがすごく自然ですっと入ってくる。よくは知らないしわからないけど、望海さんの技術レベルが高いから咲ちゃんは言われることも結構あるんだろうな、とぼんやり思ってた。でもこの2人はやっぱり私は相性がすっごいいいと思うし、望海さんのトップ時代は咲ちゃんが二番手だったから数々の伝説の作品が作られた、ってずっと思いたい。私の勝手な感想だからよいのだ、それで!(どーん)

 ショーでは咲ちゃんはほんとロングの衣装が似合うのよね~~って長い裾のチャイナ服を着る「私の体、最高のスタイル!」を全身で打ち出す彩風咲奈様最高でございました。あの細身のシルエットは咲奈様以上の着こなしできる人いないでしょ。青いバラの場面泣きそうになりました。頑張れ雪組の御曹司!

 

 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ /彩凪翔

 「じゃ・あ・ね★」とブラウンチャラチャラターバンであえて客席目線を外す、横顔。この美しさ、ドイツの街並みより美しいだろう…!(ドイツ行ったことないけど)っていう彩凪翔様。ほんっと、「じゃ・あ・ね★」っていうLINEのスタンプ公式で作って欲しい。

 ゲーテは「儚げ・繊細・物憂げ」っていう王道彩凪翔原点回帰か!?と思ってたんだけど、それはさくっと上回ってもうなんていうか「はるか天空の彼方にいる文化人」みたいなイメージでした。王子様より遠い、崇高なる人物というか。もはや神に近いイメージなんだろうなと。ルイにとってはもう「推し」であり「神様」だったんだろうしね。天才を興奮させる、もうひとりの天才。っていうあの位置づけが「実は雪組の大黒柱・彩凪翔」大好きな雪組ファン(私)にとってはたまらない設定でございました、ありがとうございます…。

 んー、でもあまりに私の理解をふぁさっと翼を広げて飛んでいったゲーテだったので理解できたか?っていわれるとちょっと怪しい(苦笑)でもね、この作品で一番残ってるセリフはゲーテがナポレオンにいった「あなたの速さでみんなは走れない」このセリフのインパクトが本当にすごかった。もう、もちろんセリフもかっこいいんだけど言い方。凪様の言い方よ。ずーっと頭の中でリフレインしちゃったほど。ずしっと深くて、とっても重い。

 ナポレオン、あなたのことをちゃんと認めてるから君には誰も言ってくれない、私しかいえないことを言おう。っていうあのゲーテは凪様しかできないなと思う。

 タカラヅカファンの結構な深刻な共通のお悩みだと思ってるんだけど、どこか中の人同士の関係性をキャラクターの関係性に重ねてしまう性がある。「あの人だから、あの人にああいうセリフでああいえる」みたいな。それがタカラヅカの面白いところで大好きなところであるんだけど、そのシーンはまさにそれだった。「凪様のゲーテだから、咲ちゃんのナポレオンにああいえる」。どうしてもね、彩彩の2人には雪組ファン(私だけだったらどうしよう)の勝手で結構重い愛が詰め込まれてしまう(笑)もちろん実際のゲーテとナポレオンにもこういう関係性があったと思う。凡人には理解できない、神様ポジションのふたりの悩みを共有するような。それを彩彩がやるとさらにその関係がこっちに倍率ドンでわかる気がする。きっと彩彩も、こうやって「あなたのことを認めてるからあえていうけどね?」って励まし合ってきたんだと、勝手に思入れいれて見てしまう。(すみません!あくるさん、おもっっ!!(笑))

 きっと2人には迷惑極まりないんだけど(笑)でも勝手にそう思って熱く見てしまう。そういう熱さがあるシーンでとっても印象に残るシーン。最後にいい彩彩が見れました。ベートーヴェンの推しがナポレオン、ゲーテであるというのに深く共鳴する。私も彩彩をずっと推していきたいです。(やっぱり重い!)

 凪様の上品でクラシック、柔らかな雰囲気とずっと見ていたいと思わせるダンス。すごくすごく大好きでした。私の中で凪様はずっと、雪組の王子様です。ああ、やっぱり凪様のことになるとうまく書けない(笑)いつまでも私を思春期に戻す彩凪翔の魅力よ…。

 

 ゲルハルト・ヴェーゲラー 朝美絢

 あーさがいつこじらせソングor鬱ソング歌うのかな!?ってわくわくして見てたんだけど、「そんな話ではないし尺はない!(ジャジャーン!)」と久美子さんがおっしゃってるような普通の、ルイの心の拠り所となる故郷ボンの心優しき医師。正直あーさの「普通」があまり慣れてないので(苦笑)「お、なんか逆に新しい!?」と思ってしまうコレなんなんだ。慣れって怖い。

 あ~、この人の声やっぱりすっごく素敵だな~って思って見てたけどルイの推し2人、ナポレオンとゲーテは神様ポジションで「ああいう才能があったら、僕にもああいう大きいことができたら!」っていう感じ、ゲルハルトは「こういう人になりたい」っていう対象だったんだなと思う。普通に素敵な女性と結婚して、普通に暮らす。とっても普通のことで笑い合う。その「普通」ができないルイはすっごくすっごく羨ましくて、だけどゲルハルトはそれ以上に魅力的だったから「NO!」って排除できない。生涯の友、心の故郷。あーさのお芝居であまり見られないような(←ほんと余計なお世話だよ)、ふんわりした雰囲気がすごいよくて。優男好きの少女マンガ脳刺激されまくりですね(笑)罪な男役やのう、朝美絢という人は!

 ゲルハルトと青年ルイ(彩海せらくん)が並ぶところ、まあ、タカラヅカファンが胸を熱くさせるところなのは当然として(笑)(よかったねぇーあみちゃん…っていうババア顔)ふたりの漂う空気感がすごいよくて。未来に希望を隠せないルイに、いつでも帰ってきてええんやで、っていうような優しい微笑みのゲルハルト。君はすごい才能を持ってる、って認めて、でもしんどかったら帰ってこいよ?っていうような優しさ。顔が強いし(笑)声もどんどんパンチが出てきて、個性的な役柄を自分のものにしバリバリこなすイメージだったんだけど、え、なんか普通の朝美さん素敵です、ってとなりのあみちゃんドキドキしてそうな雰囲気感動しつつニヤニヤしてしまう…。すみません、邪な気持ち入りまくってました(笑)

 ますますショーでパンチの効いた声を披露してくれる朝美さんね。「シェヘラザード」の場面の王様、「クセが強すぎる…!」と震えるくらい朝美さん似合ってらっしゃった…。「俺のために踊れ!」ってああた…(ぶるぶる)。だがしかし、そうそう朝美さんはこうじゃないと!!と目をキラキラさせてしまう自分。こういうあーさがないとあーさ見たって思えないのよねえ~!!雪組観劇における「花見にはビールがなくちゃねえ~!!」みたいな欲求を満たしてくれる朝美さん。ってなんだかそれ違くない?ナンバーワンよりオンリーワン

 

 雪組のドラマを熱くさせる人物たち。舞台の端までドラマがある。

小さな炎(笙乃芽桜)■ひーこの堅実でいつも最高!っていうダンスが大好きでした。オレンジの炎がメラメラ燃え上がる、じゃなくて、消える?消えない?でもずっと小さく灯ってる…みたいなダンス。素晴らしかったです。

久城あす(サリエリ)■ね~、ほんといっつもなにか腹に一物抱えてるよね~。サリエリの小狡い感じや野心家なところミエミエな演じ方最高でした!男の内緒話(だいたいくだらない「なあなあブーブークッション仕掛けて赤っ恥かかせてやろうや」っていう姑息な企み)が異常に似合うのなんでだろう…

煌羽レオ(メッテルニヒ)■ダークカリ様最高です!あの表情を崩さない氷のような視線。カリ様の前ではみんなドMになる説。思い通りに動かないルイを軽蔑する、というような演技に「そうそうこれこれ~!!キタキタ~!!」ってなるやつ。たぶんれいこちゃんも大喜びのやつ(なぜそこでれいこちゃん出てくる)

愛すみれ(ブロイニング夫人)■ひと目見ただけでこの女性は優しい、と思わせる聖母マリアのような柔らかい雰囲気。あの時ルイを救ってくれてありがとう、と感謝したくなる優しさ。マザーテレサか愛すみれかってレベル。

朝月希和(ロールヘン)■普通で、穏やかで、和やかで。ルイが人生において欲しくてたまらなかったものを具体化したのがロールヘンだったんだなって納得できる、ひらめちゃんの柔らかい優しい演技。あーさとの並びがお人形みたいだった。メルヘンの世界。次回からトップ!期待しています!

真地佑果(ガレンベルク伯爵)■まちくんの絶対邪魔しない、だけどあの人絶対うまい、って思える脇役が大好きだったのね。一度聞いたら忘れられない声も。最後の挨拶が真地佑果100%で「そ、そこまでマトカを…!!」っていう「まっちwww」ってなるのがまちくんのいいところです。最後まで小笑いを獲得。

綾凰華(ルドルフ大公)■ルイの才能を一番理解してるのはきっとルドルフ。でもルイはルドルフのことは見えてない。それでもルイを心配していつも気にかけるルドルフ。あやなちゃんは心配してる人物には報われない、でもそれを「もう知らないし!」ってむくれない精神的に安定してる大人、本当に純粋なピュアな人物がうまいな~って思う。母礼からこっち、繊細な容姿に対して意外と心が安定してる大人が印象に残ってるのがすごく好きだわ~。

彩みちる(モーツァルト)■全米の「カワイイ」を獲得★彩みちる。ベートーヴェンの音楽を聞いて「うるさ~い!!」っていうあれがそれな!っていうやつ。トニカクカワイイ。チョットカワイスギテヨクワカンナイ。(彩みちる現象)

縣千(テレマン)■シルクロード」でカメラに時々入るあがちん見て、あがちんのダンスを早く生で見たい、と切望する日々。早く舞台で暴れまくってる縣千に圧倒されたい。「なんかあの子しか見てなかった…」っていうアレ。もうなんなのあの大きな薔薇の花束振り回して踊るようなあがちんのダンス(好きやで)

彩海せら(青年ルートヴィヒ)■あみちゃんは望海さんの血縁者が似合うよねえ。「壬生」でも思ってたんだけど。望海さんから黒い部分とか闇部分を取り除いたのがあみちゃんじゃないかなって。そう思うとあみちゃんの将来めっちゃ楽しみです。

ジュリエッタ(夢白あや)■もう出てきた時点で「はい~、好き~!!」って思えるヴィジュアル。赤のドレス似合うわあ。ジュリエッタに関しては「ルイ(望海さん)とガルンベルク伯爵(まちくん)かあ…うーん!どっちも苦労しそう!!(にっこり)」なんて本音で話して「あんた一回しばいたろか」って怒らせたい衝動になります。ジュリエッタちゃん怒ると絶対コワイ。でもカワイイ。(でれでれ)

 

 望海さんの舞台は本当に「日常を忘れることのできる非日常空間」だったように思う。どんなに日常で疲れてても、「あーあやってらんないよ!」って思ってても、一度この人の芝居を見れば、ダンスを見れば、歌を聞けばそんなことどうでもよくなる。理想をしなくても、よくわかんないな、をわかるわ!私にもそういうのあるわ!!にする唯一無二のパワー。あらゆるものをなぎ倒していく技術、常識を毎回打破していく姿、毎回「これが最高の望海風斗」と思わせる向上心の高さ、自分のペースに巻き込んで持っていくこともできるけど、周りをちゃんと見て時々ペースを緩めることのできる心優しいトップスター。

 「普通にできなくてもあなたの人生は素晴らしい!」望海さんがそうやって歓喜してくれているような舞台。高い技術、誰にもできない舞台。それでも望海さんはきっと私たちと一緒でこの世界が大好きなだけ。限りなくこっち側のあなたがものっすごく誇り。きっと、タカラヅカを飛び出して外の舞台で活躍する望海さんを見ても私は歓喜する。「ねえ見て見て!!本当に望海さんってすごいでしょ!!」って世界中に自慢したくなるタカラジェンヌ

 本当に楽しい時間をありがとうございました。18年間、あなたの舞台を見れて幸せだった。あなたのタカラヅカ人生、素晴らしかった!!!!歌え歓喜の歌、歌え望海風斗!!

 

  望海さんは、タカラヅカファンの誇りです。

 あなたに会えて本当によかった。