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「月雲の皇子」たまみゆショックとちなつさんショックと全体的に月組若手ショックですでに立ち直れない

きっともう見れぬであろう世紀のヤングカップル(何度も言うようだが死語である)
たまみゆを見るため強行突破で東京へ。
財布が「聞いてないぞこんな出費!」と悲鳴をあげている、
が私の心の耳には届かず。


月組若手の公演を初めて生で見たといっても過言ではないが、
実に素晴らしいガチでハイレベルな公演である。
そして、おのれの勉強不足をここまで悔いたことはない。
それくらい見事で「あの人は誰?」を心で何度も叫び、休憩時間にプログラムで
確認するお仕事、今も新幹線でその楽しいお仕事をする次第なのであります。

何と言っても、これがデビュー作とは信じられない
上田久美子氏の脚本と演出の素晴らしさ。
久々に心地よい日本語を、私がいうのもあれなのだが正しい日本語で脚本を書かれる。
それが宝塚では実に難しいことかは舞台を見ればわかるであろう。
題材としては飛鳥時代、3人の男女、とくれば柴田大先生の「あかねさす紫の花」の
焼き直しかと思うところだが全然違う。

あかねさすより骨太で、「大和とは」が色濃く打ち出されている。

そうはいっても、小難しい政治の話でもなく、不思議な、前例のない作品に
仕上がっているのだが、それを名作にしたのは

「アテガキではない」のに「アテガキっぽくなった」

今の月組若手の実力、キャラクター、運命の巡り合わせとしか考えられない。
主演が珠城りょうで、ヒロインが咲妃みゆで、ライバルが鳳月杏だからできた
この作品のとてつもない力を、客席にいてビンビン感じられることに私は
感動で涙が止まらなかった。
ライバルがちなつさんと書いたが、一番彼が

つらい、切ない、かわいそう

と三拍子揃っているライバル役は実に魅力的であり、
だいたい宝塚の場合二番手が光るとほぼほぼいい作品に仕上がることが多い。
ちなつさんの圧倒的存在感、情感、ルックス、せりふ回しなどは完全に
「穴穂皇子」として生きていた。
5年間も夫婦しているのに「日の高いうちからお戯れを」拒否される穴穂皇子。
中の人ちなつさん。ああ、それだけで思い出すだけで泣けてくるのは
もはや私がちなつさんに惨敗ということなのですね。
わかりました。鳳月杏恐るべし。
 
特に「ち、ちなつさん…!!」となったところは二幕の木梨軽皇子との殺陣のシーンである。

あの気迫、本当に宝塚か。

本当に舞台なのか。

主演の珠城と相性がいいというのもあるのだと思うけど、涼しい顔を残しつつ、
少し憂いを帯びた顔つきで兄と戦うシーンには正直ちなつさんの底知れぬ
演技力を存分に見せつけられ、

「確かにちなつさんには誰も勝てない…」

と納得させられる殺陣であって、ハッチさん最近おなじみの
「実はお前は俺の息子なのだよ」シリーズに

「うーん、納得!」

としか言えない穴穂皇子だった。
あの無敵艦隊感は完全にハッチさんの血が入っているね(個人的意見)
1幕の「ちょっと兄を小馬鹿にしつつ兄のようになりたいとも思う」感も伝わってきて、
兄弟特有の嫉妬や激情なども秘めた顔の表情に

「ち、ちなつさん…!!」

とならずにはいられない。

ヒロイン咲妃みゆは素晴らしい天性の演技力がもうすでに爆発しており、
この子ほんと恐ろしい子…!としか言えない。
これで研4?どっかおかしいんじゃないの?\(^o^)/としか思えません。

特に切ない表情が秀逸。
困った顔でもなく、悲しい顔でもなく、「切ない」顔ができる娘役さんは貴重である。
穴穂皇子には厳しい顔しか見せないが、
木梨軽皇子になるととたん柔らかい表情を見せるようになり、
木梨皇子の詩を待つところなどは切なすぎて涙がとまらない。

それゆえに、最期天国で木梨皇子と結ばれた時の穏やかな表情が引き立ち、
これぞたまみゆの真髄が見られて私はこのためにモノレールに乗ったきた…!!
と思わずにはいられない。
衣通姫の寂しくも、儚くも、たった一人で自分の罪を被り流刑されてしまった
木梨を想う切なさのあの表情は衣通姫の魂が宿ったようだった。
5年間、彼女はどの様な気持ちで穴穂皇子のそばにいたのか…
考えると夜も眠れないくらい胸が締め付けられる(あくるさんが)。

衣通姫が咲妃みゆだからこそ、頬を伝う涙が本物のように思えてならないのです。

彼女には紅天女できます、月影先生(フィクション)。

 
そして、主人公珠城りょうの堂々とした綺麗な立ち姿に、
1幕2幕のキャラの変え方にもびっくりしつつ、
演技力がないと出来ない芸当だと感じずにはいられない。
1幕は王子様なのに、2幕のワイルドな姿と言ったらこの人同一人物?ものである。
双子?双子なの?
個人的には王子様が好きなので1幕の木梨がちょっとオトメンで心が綺麗な青年が、
気持ちを抑えきれなくなり衣通姫の部屋に忍び込むところなどは
胸がときめいて仕方がなかったです。
そして、あの身長差の素晴らしたるものや。

咲妃ちゃんがすっぽりハマり、リアル男女のような錯覚を起こす。
あの不器用な珠城くんの抱き方に咲妃ちゃんの天にも昇る表情。

君らはそれだけでいい…!!

と思えるのはやはり宝塚でしか味わえないので、
私のラストたまみゆとなってしまったこの作品を見れてよかった。
決してラブラブ表現ではないけれど、それがたまみゆなんです。
たまみゆの真髄なのです(しつこい)。

あと珠城くんの身体能力の素晴らしさ。
殺陣がかっこよく、なんの形でも決まる。
殺陣だけではなく、戦いを象徴された群舞でも真ん中に立ってておかしくない、
むしろ神がそうさせたような(真ん中に立たせるために宝塚に入ってきたとしか思えない)
ダンス力に舌を巻く。2幕のキャラにぴったりのワイルドな鬘もいい。
2幕の木梨軽皇子はどこか「毎晩女を変えている」感もあっていいよね、
あれ危険なタイプだけど素敵よね(たまきりょうマジックにかかっている)
でもどんな女を抱いても最終的には衣通姫(咲妃ちゃん)の柔らかい身体しか
思い出せないたまきくん。

あ、すみません日も高いうちから。

(ほんとやめて下さい)あ、ごめんね穴穂皇子…(本当にな)
 
以上、3人のメインキャストとたまみゆ論を自分勝手に語り筆をおこうと思う。
 
最後に、蓮つかさくんの存在感にただひたすら唸り、
彼のこの姿を見ることができ感動を覚えている。
そうか、彼が噂の蓮つかさくんか…!!(すごく嬉しい)。
 
夏月都さま、琴音和葉さま、白雪さち花さまは本当に月組の、
っていうか宝塚の三大娘役に入る感じがすでに怖い。
あの3人!ちょっと学年考えるととてつもないから!!
 
輝月くんは最後に立つ位置が絶対おかしい。
あんな端っこじゃない。(と思うものの魔物の95期ということに変わることはない…)
早口、見事!!なんだあの月組モンスター!!
 
咲希あかねさんのかっこいいことよ…美人なのに学年的に難しいのかな、
ちょうど難しい時期なんだよなと思ってたところにこのガウリ。
なんだこのいい女。
かっこいいガテン系とかきっと超似合うと思います(娘役なのにガテン系)
 
あー!はーちゃんがー!かわいいー!!
(以上)…申し訳ない、この言葉以外はーちゃんに必要ですか。
 
…まんちゃんの無双さには誰も勝てまい
(個人的には蜘蛛族ではナンバー1の地位を誇ると思います)(なんの)
 
そんな私の邪な感想でお送りしました「月雲の皇子」は本当に名作です。
涙が枯れるほど号泣しちゃったよ!
 
そして今回のスタッフMVP、斬新な照明だった笠原氏、名前覚えましたんで。(照明好き)
 
そして謝珠栄臭がすごくするな、と思ってプログラム見たら振り付けに入ってた…
 
うん、「MAHOROBA」を全体的に思い出す。

でも今回のスタッフMVPは否が応でも笠原氏で!!
(あの戦いシーンの照明マジ神)

そして月組初心者のくせに全体的にうえからでごめんなさい。
はい、もっと勉強したいと思います。