MENU

いつまでも、いつまでも輝いて。星組トップスター柚希礼音大劇場卒業。

大切すぎる、みなさまへ。



この言葉のチョイスが柚希礼音だと思った。



大切すぎるから、私たちも星組トップスター柚希礼音を手放したくない。

柚希礼音は、宝塚ファンにとって「大切すぎる」存在なんです。



私が宝塚を映像で見始めたころは、そこに柚希礼音はいなかった。

さよならショーで銀橋で「恋のガイドブック」をまさこさんと歌いだした瞬間、


「そうか、このお芝居で初舞台を踏んだのか」


と今更感慨深かった。私のヅカファンの人生が、そっくり柚希礼音のタカラジェンヌ人生と重なる。

私がのほほんと学生時代を過ごしていた時、柚希礼音の戦争のような

タカラジェンヌ人生が始まったのだ、と思うと、柚希礼音の偉大さがわかる。

重なるなんて、おごがましいのかもしれない。


私が宝塚を見て、友達と泣いて笑ってたとき、柚希礼音は現実世界で泣いて泣いて泣いてたんだ。

うまくできなくて怒られて、でも八つ当たりできる人もいなくて、ひとりもがいていたんだ。


抜擢されても、応えられない悔しさもあっただろう。

上下関係に、人間関係に悩まされるときだってあっただろう。

でも、それは観客には関係ないと思ってストイックに舞台を続けてきたんだろう。

大作が続いてしんどくてもそれでも舞台の計画は決まっていくし、

スケジュールは続いていく。


それが宝塚だし、スターの証といわれればそうなのだけれどきつくてしんどい仕事なのは

変わりないし、けれど認められるのには時間がかかって。

特に柚希礼音というスターは私の中ではそういう印象が強い。


誰よりも頑張ってるし、誰よりもストイック。なんでもやってみる。

あたって、砕け落ちるまで、ボロボロになるまで自分の限界まで。

でも、なかなかタカラヅカファンは厳しい。

正直、6年前の今頃、「この後星組はどうなってしまうんだろう」という思いはぬぐいきれなかった。


安蘭けいさんが退団発表したとき。


今では本当に申し訳ないと思うし失礼だと思うけど、「これからの星組が不安」という

言葉をよく使っていたと思う。今思うと、過去の自分をフルスイングで殴りたいけど。


今の星組の安定は、ちえさんが星組を守ってきたから。

柚希礼音が世間の荒波の盾となり、組子を愛して星組一本で突き進んできて、

ねねちゃんを守り、相手役として大切にして、一緒にやってきた同志を失いながらも

それでもやってきた、トップ在籍6年の重み。


ちえさんが就任した時生まれた子供が小学生に入学すると考えると、

その月日の長さと短さ、楽しくてつらくて、それでも前を向いてやってこなくてはいけなかった

星組トップスター」の看板、シンボル、象徴、いつのまにか「星組代表」が

「宝塚代表」になっている、今。


私の中でも、「ちえ」が「ちえちゃん」になり、「ちえさん」になり「柚希礼音」になる。

そんな呼び名の変化も感じると、無意識に私はヅカファンとして女性として柚希礼音を尊敬してたし、

星組に行けばいつも会えるという「甘え」を持っていた。


もう次に星組に行っても、そこに柚希礼音はいない。

そう考えながらサヨナラショーを見ると、もう涙が流れるのを抑えることができない。

私は今、過去に行けるのなら、下級生のときの柚希礼音に会って


「あなたはみんなから愛されるトップスターに絶対なれる。だから信じて続けてください」


と、言いたい。私なんかにいわれなくても、柚希礼音は宝塚を、タカラジェンヌ

続けただろうけど。それが柚希礼音という人間だとファンは信じている。

途中で投げ出したりはしない人だろうだから。


大劇場が終わっただけで、まだ東京がある。

まだまだ柚希礼音は終わらないし、進化し続けるであろう。

芝居の繊細さと、ショーのダイナミックさはさらに増すであろう。

これからという人もたくさんいらっしゃるだろう。


私だって、そう思っているしそう信じている。

最後のラストディの中継を見るまで、私は柚希礼音がタカラジェンヌ人生の

幕を下ろすのを信じないだろうし、信じたくないのだ。


柚希礼音の退団は、間違いなく歌劇団の大きな節目になるだろう。

その時に、ヅカファンとして立ち会う悲しみは忘れられないものになるであろう。


他組のファンだって、宝塚のファン。どうしても、理由もなく、会いたくなるときがある。


柚希礼音。その存在は忘れないし、タカラヅカファンにとっての誇り。

とうこさんの周りをくるくる回っていた、ただのバレエがうまい下級生から

6000人の観客を熱狂させる大スターになったあなたの努力と根性は、

絶対にタカラヅカがある限り途切れさせないし後世に伝えていきたい。



あなたが愛した宝塚歌劇団を、私たちも変わらず愛するから。



昨日の千秋楽は外は雨だったけど、大きく息を吸い込んで、叫びたい。



天晴れ、ちえちゃん!!!!!!

大劇場卒業、おめでとうございます。