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誰のものでもない、私にとって「これが好き」でいい。好きなもんは好きやねん!星組梅芸「エル・アルコン-鷹-」感想

私は一生礼真琴の太鼓持ち芸人で生きていきます。

 

 と、いうわけでみなさんこんにちは。あくるです。最近めっきり寒くなってきましたね…そしてコロナがどんどん増えてきてますね…。みなさんの地域ではいかがですか。これを書いている間に人事がゴンゴン動きました。お、穏やかじゃねえなあ…と思いつつも、とりあえず一旦スルーしてこれを書ききろうと思います!(←穏やかじゃないことから全速力で目を背けるタイプ)

 と、いうことで恒例、個人的な近況。

①「危険なビーナス」のタイトルロールが私の中では吉高ちゃんではなく安蘭けい

②「#リモラブ」で松下洸平沼再び

③瀬戸かずやさんがちょいちょい名語録を繰り出す件について(今月号の「グラフの宝箱」より)

 …ハイ!ということでね!今回もこういう他愛もない話から宝塚につなげる気まんまんなわけですよ。はっきりいって私の今の生活に宝塚の要素10%もないわけでね、その10%だって歌劇とグラフから微々たるこれ栄養あるのかな?程度の情報です。スカステにも入ってないし、「精神的に病むから…(←メンタルの弱さ尋常じゃない)」ってSNSもやらず、宝塚の最新情報は友達のLINEと歌劇とグラフで知るというアナログ世界で生きてるので自分の自家発電がどんどん発達してきちゃってて。…今ここまでで3割の人ちょっと悲しい目してるかもしれないけどスルーしていくね。

 最近世間の波にもれなくのっかって(新しいもの大好き双子座)BTSにドハマリしているわけですが7人のキャラクターを把握した瞬間「ジミンちゃんはれいちゃんでグクはこっちゃん、Vは朝美だしジンくんは瀬央一択、よしこれいける!!」っていう「結局なにがいけるんだ!?!?」と全世界から突っ込まれる案件を胸に秘めてるんですが。え~~もう95期BTS、どうですか。よくないですか?(なにがだ)で、シュガがれいこちゃんでJ-hopeがマイティとずんちゃんで迷ってる。ちなみにいくら探してもRMがいないんです。95期のRMどこにいますか…?知ってる人マジで教えて。(っていうネタを聖乃あすかちゃんと3時間くらい話す自信があるんだけどまあまあ「マジでこの人ひまなんだな?」って95%の人が思いそうな内容(ここを覗いてくれたヅカファンの方帰らないで!!お願いここでウインドウ閉じずにまあ聞いて!!ごめん悪かったって!!!←自分で話し始めて必死)

 と、いうことでおもわぬところでBTSネタが書けたので満足なんですが、話戻ります。

 ①日曜劇場「危険なビーナス」が本当に久々に日曜劇場でヒットなんですけど、その中でも血塗られた一族矢神家の悪の華祥子お姉さまの安蘭けいがもう半端なく素晴らしいのです。もう!!!祥子お姉さまの悪い顔最高です~~!!!自分の夫を「薄汚い豚野郎」と罵り、若いツバメを恋人にして、同じく最高にして最低のヒール俳優ディーンフジオカ様(悪いおディーン様最高に尽きる!!マジでこの世のご褒美。)をこの世の恨みという恨みを集めて投げつけるような最高の悪女でございます。私、原作を読んだ先輩から「祥子さん全然出てこないよ。」って言われて即原作読むことをやめた女です。(ってまた東野作品から遠ざかる…)

 今回のエル・アルコン見ても思ったけど、この世の悪役という悪役を全部とうこさんで見てみたい、と思うのよ。それくらい、とうこさんの悪役ってすごいんだなって。「こいつ本当に性悪すぎるだろ…!!!」って黒いドロドロとした感情全部ぶつけてもびくともしない、根っからの悪が本当に似合うのよね。逆に言うとめちゃくちゃメンタル強くて、きっと殺しても死なないし、毒を盛っても「ん~、今日のスープも美味ですな。(とうこさんは「おいしい」とも「うまい」ともいわず「美味」という)」ってたぶんそれを栄養素にしちゃって元気になっちゃうような超人的で歴史に名が残るかっこいい悪役になっちゃう。不滅のキングオブヒール役者。

 ぶっちゃけあの頃の宝塚って「この作品、出てたのがとうこさんだったからなんとかなった」っていうのが結構あると思うんですけど、思えばそれ本当にすごいことなんだなって。演技の面白さを教えてくれたのって、私の人生で安蘭けいさんなのかもしれません。脚本がアレでも、演出がアレでも、そこで諦めないで役者が面白ければ芝居は変わる。役者ってすごい!!って思うんだけど、日曜の夜はまあまあ「祥子様~~~!!!♡」ってうちわ振ってます。とうこさんこそが危険なビーナスです!!!(言い切った)

 ②。文字通り、松下洸平かわいい~~~!!!って毎週ずぶずぶ沼にはまってる。朝ドラの「スカーレット」で例にもれなく八郎沼だったわけですが、松下くん完全同年代なんですよね。同年代でここまで可愛い人なかなかいないぞこの野郎♡って思ってるんですけど、宝塚でアオちゃんできるのってたぶんほのちゃんで、そのほのちゃんもバウ主演を控えてる今、その下…って私どこまで広げるの?守備範囲を?ってはっとして今ここ。でも今回の公演で「咲城くんの顔がキレイで~♡」っていっててアレ?私まだまだいけるじゃん?っていうここ。しかし咲城くん意外や102期であまとくんと同期~!?まじでかーーーー!!!って今瞳孔開いてる。そんな感じ。(どんな感じ)

 ③。私の中であきらくんとゆりかちゃんが「語彙センスの二強」を張って長いんですけど、ゆりかちゃんっていうのは本当におしゃれな感じで、抜群のコミュ力と言葉のキャッチボールがもう最&高!!ゆりかは今日も抜群にセンスいい!!ってなるんですね。一方あきらくんは格言というか「ひとことでばしっと決める人」で。天才コピーライターみたいな。「あきらくんそれ!!」っていうことが言える人。今月のグラフの「グラフの宝箱」でれいちゃんのマタドール姿を「気合と躍動感がすごい!!」という言葉でさらっと片付けるあきらくん。すごくないですか。「あきらくん、それ!!!(二回目)」っていう。よく月刊望海風斗でも使ってた技だったんですよね。具体的には思い出せないけど。(…はい。あくるさんこういう人ですから。)

 …こういう一言で「はい以上でーす!!」って場をまとめあげる才能が欲しい。(ついついダラダラ方言でずーっと喋り続ける人)(このブログ見てても本気で長くて時々うんざりしちゃう…←改善しないの…?)

 

 以上、最近の近況でした。本気でお前…エル・アルコンどうした…?(今からです!今からが本題です!!)

 今回も「1を見て10どころか120くらい語る」で参ります!フルスピードで語ります、暑苦しいの上等です。なんてったってパッション星組じゃん?暑苦しく語るのが礼儀ってもんでしょ♡(←勘違い甚だしい)参りましょう悪の華。ようこそパッション星組へ。熱かったぁ~!!!

 

星組・梅芸「エル・アルコン-鷹-/Ray」

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このジャンプって今週発売ですか?

 

「エル・アルコン」への思入れが重すぎる私

 初演が13年前か~…ってぼんやり眺めていたんですが、13年前っていうと自分が20歳出たて、働き始めて3年目。少しずつ世の中の仕組みが分かってきたころでした。あと、自分が働いたお金でやっと遠征ができるようになったのもこの頃で!そういう意味でもなんだか大人になったみたいで自分が元気だったころだった(笑)

 とにかくこの作品を見たときは興奮でした。今でも鮮明に覚えています。見終わった後の高揚感。心臓がドキドキして、わくわくが止まらなくて、新しい時代が来た!!!こんなの見たことない!!!って興奮で体が震えてて。ショーが「レビュー・オルキス」で大好きな草野先生だったのに全く覚えてない!(笑)あ、とうこさんとあすかちゃんがめっちゃ可愛いおじいちゃんとおばあちゃんやってたのは覚えてる。(どうでもいい)どうしようすごいもんを見てしまった~~~!!(でも誰も語り合える人いねえ~~~!!!←安定のぼっち)っていうアレですね。

 私にとって、この「エル・アルコン」は「こんな宝塚は見たことない!」という作品でした。こんなに設定を詰め込んで、息をつく暇もなく場面は展開されて、ばんばん盆が回ってセリが上がって(今回の梅芸を見て、大劇場の盆セリ銀橋ほど贅沢なものってないんじゃないだろーかって改めて実感した)、下手上手の花道を多用した舞台、ゲームのような効果。音楽は壮大で、耳が喜んでいるうえで安蘭さん、遠野さん、柚希さんっていう星組のゴージャスメンバーで。そうなんです。「豪華絢爛」という文字を服着て歩いてるようなスターさんたち。もう1冊ファンブックできちゃうよ、っていう濃いキャラクターがひしめく中、「私が星組トップ安蘭けいじゃああああ!!!」っていう泣く子も黙る安蘭けいのティリアンが劇場を支配する。

 熱くて熱くて熱いパッション星組が「もういいよ!」ってくらい詰め込まれてる。ドラマチックで、いつものごとく戦争を引き起こす「腹に一物持つものたちばかり」の集団。星組って全員久城あすなのか…?っていう由々しき問題ですよ。雪組ファンにとっておなじみ「腹に一物」キャラあすくん)

 思えば、齋藤くんと安蘭さんは切っても切れない関係で、ファンの方たちはどう思ってるかわからないけど齋藤くんの「アレやりたい!」「コレやりたい!」を全部叶えてくれたのが安蘭さんだったと思ってます。とうこさんはめちゃくちゃ器の大きい人だったと思う。「ったくしょうがないな~サイトーくんは」って苦笑しながらそのとんでもない実力で組を、作品を、宝塚を引っ張っていく。「これとうこさんじゃなかったらどうなってたんだろう?」っていう作品も少なからずあったと思う。それが安蘭けいというスターさんだった、という認識。

 13年たった今、あえてとうこさん版は見ずに見ました。私は最近再演を見るときはあえて予習しないのですが(引きずるからね)きっとエル・アルコンは特に「あの時の興奮をもう一度味わいたい」という思いが強かったんだと思います。初めて見た、こんなの見たことない、もう興奮で叫びだしたいほどわくわくしてきゃーー!!さいっこう!!!っていう13年前の自分に会いたかったんだと思う。

 結論から言えば13年前ほどの「初めて見た!!」という感じはなかった。私もあれから13歳年を取って、齋藤くんの作品もたくさん見た。詰め込みすぎる設定もめくるめく場面展開も、情緒?なんですかそれ?という余韻のなさも、齋藤芝居といったらそれまで。ああ、齋藤くんだった、と一言で終わらせる方もいる、というかほぼでしょう。脚本が破綻してるのだって今も昔も一緒で、本当に人って変わらんな、って思うし(笑)今の人には全然新しくない、うんわかる。結局、何がいいたいの?って。う~ん、よくわかる。

 …でもやっぱりね!人って10代20代で触れた作品で人格は形成されるらしいのよ!わかってる、でもやっぱり私はちょろい。わくわくしちゃったよ!ドキドキ、ハラハラ、スペイン艦隊キタァーーーー!!!って高揚してこぶしを握ってしまう!そう、これこれ、「俺はこれが最高に面白いと思う!これがやりたいんだ!これを形にしたいんだ!!」っていうサイトーパッションですよ!!「エ~ル・アルコ~ン♪」きたきたきたきた!!!「♪ミッショーン♪」コレコレコレコレ!!「七つのう~みの~♪」ああ…!!壮大な海…!!と高鳴るアレ(※あくるさんは今日も最高にちょろいです。)

 …「エル・アルコン」はきっと、名作ではない。数ある中の、ただの作品。人によっては「何が面白いの?コレ」っていう作品でもあると思う。…でも私の中ではやっぱり最高にテンションが上がる作品なのです。私が最高と思えばこれが最高。好きなものは好きなんだ!それの何が悪いんだ!サイトー君の「これが好き」「あれが好き」「全部の好きをこの作品に詰め込んでみました!!」を礼真琴で、今の星組で見れる喜び。なんだこれ!!ありがとう~~~!!!

 …っていう、重さで見てました★(一言で片づけると「好きなもんっていくつになっても好きなんやな~~最高に楽しかったぜ!!!」

 

 濁った黒い鷹の目   ティリアン・パーシモン/礼真琴

 …また新しい礼真琴に出会えてしまいました…。初演の壁はきっと高かったと思います。私含めて初演を知っている人は、ティリアンというキャラクターを通してとうこさんを思い浮かべてしまうだろう。それほど安蘭さんのティリアンは極悪非道で、冷酷で、もはや人ではない冷たさを持つティリアンだった。でも、確実に見た人の心に住み着いて、忘れることはない。あの人は本当にひっどい男だった!!(笑)

 こっちゃんて本当にすごいのね。目がずっとよどんでて、濁ってて、闇に溶けるような黒さでじわじわと追いつめる。気づけば四方八方囲まれてて、動けなくなっている粘着質な暗さを持つ。しつこい、蛇みたいな巻き付き方で相手を苦しめることができる。

 「私が好きだろう?」と蛇のような目でぺネロープをとって喰い、「私が憎いだろう?」とレッドをたきつける。エドウィンには目もくれずあざ笑い、義父を憎んで母には依存されて。信頼してくれた人を裏切り、愛してくれた人は殺す。ティリアンのこっちゃんの目はいつもの純真で、キラキラしてる少年ではなくて。生まれも育ちも複雑でひねくれ曲がった歪みまくった「愛憎」を受け取りながら生きてきた神経質な男の子。自己肯定感の塊っぽいとうこさんと違って、なんとなく寂しそうで必死に弱い自分を守ってるみたい。…って思っていたんですが、見どころは後半からです。

 ギルダへの想いが愛に変わろうとした瞬間、ギルダを殺されるところからこっちゃんのティリアンは動き出すのです!!!キーーーターーーーァァ少年ジャーーーンプ!!!!(うるさいです。)ティリアンの瞳が漆黒の黒から怒りの赤へと切り替わる。このゾクゾクゾクッッッ!!!!とくるアレ!!!星組トップスター礼真琴って…瞳の色もコントロールできるんだ…!!!っていう謎の感動。屈折しまくって悪を悪とも思わない。心が冷え切っているからなんにも心が動かない。ティリアンは真っ黒な世界しか知らない、この世の美しいものは見えていない。そんな「感情0」のティリアンが動いた瞬間が、ギルダを亡くしたその瞬間、激情がめぐりだす。

 なんだかもう、このコンビってポテンシャルしか生まれないな…と感動してしまって。きっとこっちゃんて普通ト書き2行で終わらせるところを、半ページくらいト書きを付け足すことのできる役者だと思う。目の表情一つで、瞳の動かし方で物語を作る役者。なんでもドラマチックに、正直「こんな世界は宝塚だけやで」と思うことを舞台上でリアルに「もしかしたらこういうことあったかも」と思わせる、星組トップスターになるべくしてなった人なのだなあと思いました。虚の世界を、リアルにできる。星組を引っ張る者に欠かせない要素を礼真琴は持ってる!!!と感動した!

 ギルダとのシーンが好きです。「ムッシュー」「マドモアゼル」の掛け合いが本当に好きです。何に対しても、何も戦わずして全勝してきたティリアンが初めて「本気」になったのがギルダ。

 「この女に勝ちたい」

 「この女がほしい」

 「何が何でもお前をもらう」

 ギラギラした雄!!!のティリアンがいいですよね~。昭和の少女マンガだよね~。正直今宝塚でしか生息できない男ですよ。今連載してたら3ヶ月で打ち切りだよ!オラァー!!ギラギラー!!!という圧のカリスマ。…この世で星組しかできないよぅ(泣いてる)。そういう絶滅危惧種の男がね、ちゃんといる世界は貴重なので存分に愛でていきたいと思います。ただ、従うようになると「つまんない女になりましたね、マドモワゼルとかあの真っ黒い淀んだ瞳で言ってさくっと愛人作って結局両親の二の舞になる世界なんでね、舞空ちゃんにはぜひ一生「断固ティリアン、ノン!!」を貫いてほしいところ。

 …意外と礼真琴というトップスターは、「理想の恋人」「理想の旦那」系やらない系トップなのかもしれんな~とぼんやり思う。私、ロミオもそんなにいいか~?と思う人なんでね、ぜひそれ極めてほしいんですわ。来年4月以降その枠(理想やらない枠(いつからそんな枠が?)があいちゃうんでね(ほら、雪組トップスター退団しちゃうから(泣))それを継ぐ者としてぜひ!礼真琴さんには極めていただきたい!!…いや、ガチファンはそれはそれで泣くわ。(あくるさんの個人的すぎる願いすぎてだめらしいよ。)

 

 躍動感の塊  ギルダ/舞空瞳

 …だから、好きやねんーーーー!!!!って絶叫したくなる舞空ちゃんでした★なんだこのギルダ!めっちゃわくわくしてるやん!イキイキしてるやん!「この役楽しくって仕方ないです~~!!きゃ~~~!!!」って躍動感を人間で表すとこう!みたいなギルダやーん!!好きになる一択。(真顔)紫のドレスがめっちゃ色っぽくてセクシーな反面、白もばっちり似合っちゃう舞空瞳。やっぱね~~礼真琴をマジにさせる女は違うよ。(え?衣装有村先生だって?やっぱ好きだわ、ついていきます。ロミジュリもひとつ頼みますね★)

 舞空ちゃんを見てると、ハリウッド女優なんだけど違うところにルーツを持つ女優さんを思い出します。そういう熱さがある。ペネロペ・クルスとか、アンジェリーナ・ジョリーとか。男を惑わすセクシーさもありつつ、女から反感を買わないヘルシーさがある。女海賊を引き連れて踊るシーンは星組トップ娘役が代々受け継いできたスピリッツを感じました。そう、それは誰よりも男前。目がね、キラキラしちゃってんですよ。私正直ダンスの技術の上手い下手どうでもいいねん。「踊るのが楽しい!!楽しすぎて今死んでもいい!!」っていうのがダダ漏れな人が好きなだけなんですよ。なのでそういう人が多数生息してるここ(宝塚)が好きなだけなんや…うん。だから技術のことは聞かないでください。たいがい的はずれなんでね…。細かいことは知らんけど。(関西のおばちゃん)

 勝ち気なフランス語を捨てセリフとするギルダが好きすぎるんですが、(※なんと言っているかは初演からわかりません。←調べる気もゼロ)こう、舞空ちゃんのギルダは強がってるフランス女、じゃなくてきっとマジで強いんだと思います。言うなれば、ティリアンよりも全然強いし、もしかしたらスペインより強いかもしれないこの女、って思ってる。きっと故郷では大家族に囲まれて、笑って暮らしていたんだと思う。優しい両親に可愛い妹たち…みたいな(絶★対★女★系★)。まこなこ体制になってから「愛を知っている者と、知らない者」についてよく考えるのだけど、きっと舞空ギルダは愛を知っているんだろうな。温かい料理、笑い声とかね。

 で、まこなこコンビを見てて「このふたりやっぱすごいな」と思うのはどこまでも対等な場所にいる男女、ってところなんです。いや、だって礼真琴ですよ?相手役が。入ってこの方「逸材」の名を欲しいままにしてきた超優等生に対して普通だったら引け目というか「いや私なんてほんとすみません」っていう感じになっちゃうと思うんですよ。私だったらなります。(笑)ただ舞空ちゃん、そういう卑屈さもめんどくささも全く感じません。めっちゃいい意味で。むしろ「え?礼さんの相手役?私しかいないじゃない?(あっけらかん)」というメンタル強者(いわないけどね)。それでこそ星組トップ娘役~~~!!!と私は礼真琴太鼓持ち芸人であるとともに舞空瞳太鼓持ちであることも自覚しております。技量、容姿、バランス。こんなにいい意味で「礼真琴と同じところに立てる娘役」いないですよね。そして尚且ちゃんとヒロイン。思わず「こっちゃんあんたほんとによかったなあ」と瀬央さんになって肩ポンしたいですよ…(あくまで瀬央さんはこっちゃん親友枠)

 ティリアンとレッドのやり取りで「あなたの正義はなんですか?」「正義と良心です!」「フッ…(バカじゃねえの?こいつ)」っていうあの「心底人をバカにする態度」をあんなに露骨にできる役者っていうのはもはや気持ちいいですよね。普段のこっちゃんにそういう要素一ミリもないのを知ってるからこそこの役者面白いってなる。

 ショーでのあかさんとのイチャイチャがたまらなく好きだったんですがそれを見てイラッとして「こっちだろ!」って抱き寄せる礼さんが素敵すぎました。こっちゃん、舞空ちゃんに対して子どものような執着心を見せるところがね、たまらんわ。(95期トップに共通してそこで萌える)それを余裕で「お・こ・さ・まwww」とでもいいたげなあかさんがね。あかさんがね…!!!はい、後記でしっかり語ります。星組名物「みんなの憧れお兄様」枠が埋まりました…(遠い目)←虜。

 

 …さて、ここからはさくさく行きます。本当にこの作品キャラが多すぎて「ねえー、ファンブック作ろうよ~」って阪急コミュニケーションズに掛け合いたいんですが。…私、書くよ?(半分冗談、半分本気)青池先生差し置いて、書くよ?(大御所少女漫画家を敵に回すのだけはやめとけ)

 

 ルミナス・レッド・ベネディクト/愛月ひかる

 私の中で愛ちゃん=色物役者、になりつつあった昨今(桃むしゃむしゃしたり聖職者なのにいけないことしたり舞空ちゃん妊娠させたり…ほんとどうした?って。←逆にすげえなこのラインナップ…)こういうピュア!真っ白!純粋!っていう青年は新鮮ですね。きっとレッドは普通の青年なんですよね。普通に良家の息子で、普通にエリートで普通に性格がいい。きっと父親がティリアンに殺されてなかったら普通に法律家になり普通に結婚して幸せな家庭を築く。

 この学年になってこういう「色がついてない」役って逆に難しいと思うのです。そして愛ちゃんだからね?普通の人よりいつも5倍濃度の濃い役をこなしてる彼女にとってレッドをやってる姿はそれだけで面白いものを見たな!って思いました。琴愛の対立ほどドラマを生むものはない。背景が赤と青のライトでティリアンと歌い上げるシーンは「二人の持ち味違いすぎて最高!」ってなる。やっぱこの二人は一生憎しみ合ってほしいよ~。あいつはオレの天敵一生やってて~。あとレッドはアメリカでジュリエットとぜひ素敵な家庭を築いてほしいよ~。きっとほっといたら手も握らないだろうからブラックそこは頼むな!?な!!??

 

ジェラード・ペルー/綺城ひか理

 星組では「みんなの憧れのお兄様枠」という枠が常にあると思うんですが(古いところで初演でジェラードをやった立樹遥さんとかちえさん時代の涼紫央さん、記憶に新しいところだと七海さんとか…みんなマジで素敵やったな…)おめでとうございます!あかさんが!見事その枠に就任いたしました!!!ありがとうございます!!(ひとり就任式)

 …いや、めっちゃよくないっすか。あかさん。個人的にあかさんはスーツよりコスチュームものだと思ってるんで、ガンガン軍服・制服着せてくれよ!って思ってるんですけど。この溢れんばかりの包容力よ。そしてにじ出る優しさ。まさにお兄様。柚美さんまで虜になってるし、舞空ちゃんのハートもがっちり掴んでる。こっちゃん、たぶん真の恋のライバルはあかさんやで!手強いよ~!!とニヤニヤしちゃいます。柚美さんから舞空ちゃんまで。上から下まで。範囲…広すぎてまさにお兄様…(※泣いてる)

 

エドウィン・グレイム/天華えま

 エドウィンぴーすけを見てて思うのは「ティリアンこっちゃんに対して何一つ負けてないのに、なんか全部負けてる」っていう雰囲気を醸し出すところがすごいなって。そこがいいところです。私は常にぴーすけの自分がしゃしゃり出ず、自分がやるべきことをやっている、っていう感じにすごく好感を持ってます。いつも演技が誠実で丁寧だな~って思うの。持ち味がドラマチックなので、ちょっとざっくり、になりがちともいえる(そこが好きなんだけど)星組の中で貴重な存在です。あと、ぴーすけのコスチュームに負けないキラキラ感すごい!正統派星の王子さまっぽいのは今の時代貴重。こっちゃんが意外や意外個性派に転じそうなので王道を突っ走って欲しい~。で、あかさんと常につながっててほしい…(あかぴードリーム今回なくてちょっとさみしい)

 

キャプテン・ブラック/天飛華音

 今も昔も推しキャラはキャプテン・ブラック!!なあくるさんにとってあまとくんが登場したとき「待ってましたあ~!!!!」と花吹雪が心のなかで舞ったくらいザワつきました♡要領が良くて、そつなくこなしてレッドを慕って友達思いのいいヤツ。まっすぐ進んで後は振り返らない。そんなブラックが今も昔も一番好きです。

 あまとくんはもう、歌ってもよし、踊ってもよし、芝居してもよし。私は特にあまとくんのダンスがもう~大好きで!パーン!!と弾けたあの笑顔でガンガン踊るじゃないですか。ショーの抜擢に「出てきたな~!!よっしゃーいけぇー!!」(若手のこの瞬間が一番好きでわくわくします。だから全ツ好きなんです!「頭角を現す」その瞬間に立ち会えたことがもう感動と興奮で頭おかしくなりそうになる←いつもじゃん…?)とニコニコしちゃったんですが、102期…ここまで来たか…!!(年取るとほんとに「若いっていうのは元気でいい」っていう感想が心の底から出てくることが最近わかった)

 

今回も豊作です★いい味出してたキャラクターたち(ほんとに星組めっちゃおるねん)

・紫りら ペネロープの侍女役。りらちゃんのうるさすぎないコメディエンヌっぷりが大好き。

・音波みのり 影の支配者シグリット様!!この惨劇、全部彼女が仕組んだこと。感がもうたまらないっすね、はるこさん!毎回「みんな大好きはるこちゃん」が健在する舞台が素敵です。

有沙瞳 女のあざといところ(そして女が嫌う女の部分)が存分に出るペネロープ。ちょっと計算高くて、プライド高い。でも、悪い男に抗えない。女からみたら「嫌な女」「馬鹿な女」。こういう役をして嫌われないみほちゃんに「ポティンシャルぅ…」とつぶやいていつも尊敬します。

・桜庭舞 ぶりっ子がイライラしないのってこの世の奇跡だと思うの。

・都優奈 酒場の歌手。見るたび「すっごい美人」ってつぶやく。

・咲城けい ニコラス。いや本当にね、顔が綺麗!!今も昔も美味しい役。初演の絢華れいさんがめちゃくちゃ綺麗な人だったんでニコラスはやっぱイケメンじゃなきゃね~!!ってキャーキャーしてました。「ほんと人としてどうなん」って真顔で何度も問いかけたいティリアンにただ忠実についていく。ティリアンがただ唯一信じた人間。…はぁ~。星組★ドラマティック…!!!(各キャラクターに対して2ページくらい書けちゃうのが星組の好きなところ。書き込みすぎてページ真っ黒) 

・水乃ゆり 首が長い系美少女に今も昔も弱い私。

・遥斗勇帆 もう本当にうまいよぉ~!初演が美城れんさんで、もうホント小賢しくて小狡い商人めっちゃくちゃうまくて大好きだったんですけどこの「小物感」って逆にすごい難しいと思うの。大河ドラマでも「あ~ほんとにこいつちょくちょくムカつくな」っていうキャラクターを演じる役者(なんだかんだそういうやつに限って1年ちゃんと出る)に惹かれがちなんですが、もう遥斗くんの腰巾着感たまんないですよね。こういう下級生が常にちゃんといるから星組ってずっと安泰なんだと思う。

 

 …以上です!若いときの好きはずっと好き。それを実感する舞台でした。宝塚の作品はどんどん増える。見てれば自然に目が肥えるし、好みも生まれて少し賢くなった気分で、ちょっと知った気分でああだこうだいいたくなる。それが楽しいからそれでいいんだと思ってる。ただ、前も書いたけれど昔はよかった、前のほうがよかったってネガティブには見たくない。だって今やっている人たちにとても失礼だと思うから。

 私は自分で見たものを自分がその時自分がどう感じたか、ちゃんと書き残したくてブログを書いているのだけどちょっと前は本当に他人軸でした。自分がどうしたいじゃなくて、これを書いたら怒られるかな。これを書いたらおかしいって思われる?この古参ファンがうるせーよって思われる?(←これが最近自分でもマジで気をつけたいと思ってるところです。…大丈夫ですか?私)

  齋藤くんは今も昔も「コレも好きでアレも好きで」って自分の好きを全部作品に出しちゃう人だと思ってます。「エル・アルコン」を初めてみたとき、こんなに好き勝手しちゃっていいの?って思った。齋藤くんのデビュー作「BLUE MOON BLUE」を見たときもそう。(ビデオでだけど)その頃、ショー作家といえば岡田さんと草野さんの両ベテランの時代。そういう中で、J-POP取り入れたり軽い感じのヒップホップ取り入れたり、アニソン入れたり映像入れたりしたのは藤井さんと齋藤くん。そして、大劇場芝居デビュー作がこの「エル・アルコン」。社会人3年目で「あれもしなきゃこれもやらなきゃ」でいっぱいいっぱいになってた私に「もっと自由に呼吸してみなよ。こんなに楽しい世界があるじゃないか!」って教えてくれたのは齋藤作品だった。

 「オレ、コレ好きだからいいと思うんだよね~」をオールドファンや大御所演出家の白い目はスルーして発信した彼らがまぶしくて、うらやましかった。うるさく言う人はたくさんいた。でもとにかく藤井さんと齋藤くんはやめなかった。高声低声で「下品です」ってこき下ろされてもめげなかった。(今もかw)それがすごいと思ったの。たぶんそれを私は一生忘れない。彼らがいいおじさんで、まあまあベテランになった今でも彼らの作品は見たいと思う。うん、きっとそれが私の甘いところで、ちょろいところなんでしょう。「はいはいそうね、これが好きなんだもんね~」って笑って、ここまできたらしょうがねえな付き合ってやるよ!っていう感じです(笑)←急に何様

 あ、もちろんだけど、今乗りに乗ってる上田さんや生田くん、小柳さんがいる前提ですよ?今最高に面白い彼らの作品をめっちゃくちゃ楽しむのが宝塚の醍醐味なんで。ただ、たまーに、時々取り出して「こういうの好きだったわ~」っていって愛でてまたしまう作品、っていうのがあってもいいと思ってる。…私はね。あなたはどうですか?

 自分の好きだけを見てればいい。目の前のことを思う存分、楽しめばいい。だってこれは宝塚だから。今回、「そうだった、自分はこれが好きだった!!」と気付けることが最高に幸せでした。何度いっても足りないくらい、ありがとうございます。

 

 そしてここまで読んでくださったあなた。ありがとうございました~!!!次は宙組「アナスタシア」でお会いしましょ~う!(今年は観劇で有給消化ができなくて余りまくってるので配信で使ってる。贅沢。)

 

 こっちゃんがカーテンコールで「初演を見たときは予科生で…」といった瞬間背筋が凍ったのもきっと良き思い出となるでしょう…時の流れってマジでマジで怖いのな。)