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月組トップスター龍真咲、大劇場卒業。「私はみんなのもんやから」

龍真咲、大劇場卒業。

 

「私は誰のものでもありません」

 

またひとつ、時代が終わる。

それも、また特別な時代が。

 

真咲さんはタカラヅカ100周年のとき就任していたトップスター。

とうとう五人いたうち最後のひとりが大劇場を卒業した。

 

真咲さんは、偉大だった。

唯一無二のトップスターだった。

誰のものでもなく、誰の色にも染まらず、「龍真咲が率いる龍色」の

月組を4年間最後まで見届けて、去っていく。

 

あまりのかっこよさに息をのんだ。

薔薇スーツでの、「パレロワイヤル」。

他の人がやれば笑ってしまうようなニュアンスでも、

それでも「龍真咲」と思わせて「かっこいい」と感じる舞台。

 

真咲さんは時々、ジョークと本気の見分けがつかない。

 

「冗談やで」

 

と笑っていい時と

 

「いや、私はマジでやってんねんもん」

 

とナウオンで大真面目に話していたり。

 

それひっくるめて、龍真咲はかっこよかった。

ジョークでも本気でも、なんでもかっこよかった。

 

時には、トラブルシューティングでアクシデントにとっさにアドリブで

舞台を支える。

説教説教といわれることも、「あのとき真咲さんがこういってくれたから」と

なる下級生も多いだろう。

 

悪いところは指摘し、いいところは褒めるのがどれだけ難しいことか

社会に出ると痛感することがとても多い。

それが人間を育てることになるということもわかっているけど、

出来ないことも多い。

 

だけど真咲さんは「説教」という名の「言葉」で月組生を

育ててきた。見守り、でしゃばり(笑)笑って怒ってそして月組

感じながら卒業していく。

 

スモークに包まれながら「僕こそミュージック」を堂々と歌う龍真咲

自然と涙があふれた。

そうなんだ。龍真咲は、「僕こそミュージック」だった。

全身で音を奏でる。

 

リズムにメロディ、フォルテにピアノ、紡ぐファンタジー。

 

外部だけれど個人的に「モーツァルト!」信者の私はこの曲には

特別な思いれがあるのだが、龍真咲の「僕こそミュージック」は

井上さんとも、山崎さんとも違う色がある。

できるなら、退団後コンスタンチェではなくモーツァルトをやってほしいくらい。

でもそれも、真咲さんにとっては余計なお世話なんだろうな。

 

「自分の道は自分で決めていく」人だから。

 

人が何をいっても気にしない。

他人にどう思われてもかまわない。

自分の信じる道を進むのみ。

 

「私は前を向きたい」

「私はまい進したい」

 

かっこよすぎるだろう。

誰にもまねできないだろう。

もうこんなトップスター、出てこないだろう。

 

大階段に現れた、「龍」のゴシック体の文字。

龍の如く駆け上った真咲さんの名前かつ、真咲さんを表現する漢字。

 

晴れ晴れとした顔で客席をキラキラする目で見つめる真咲さんは

きっと昨日世界一輝いていた。

自己発電龍真咲だった。
スポットライトも、味方する。

 

「やりつくしました」

「ついてきてくださりありがとうございました」

 

真咲さんが言うと、本当なんだろうなと思わせる言葉たち。

本当のことしか言わない龍真咲さんが、私は大好きです。

本当に感じたことしか言わない龍真咲さんは世界に一人の存在です。

 

「でも私、みんなのもんやから。」

 

真顔で言える、龍真咲月組トップスター。

毎回本気の舞台を、ありがとうございました。

 

暑さが増す東京公演も、真咲さんらしく戦国時代と

ラブの世界を生き抜いてください。

 

龍真咲、フォーエバーラブ!!!!!