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私は恋をしていた。

私は恋をしていたのかもしれない。未涼亜希、という男役に。


朝、ブログを書いた時点ではああいう文章になるほど、

どこか彼がいなくなるということを真剣には考えていなかった。

「死にそうな思い」とか書いてるけど、そんな言葉を書いているうちは人間は

死なない。「苦しい」と言えるときは、本当の意味の苦しい、ではない。


今日は奇しくも仕事が休みだった。

朝から洗濯をし、掃除して、ブログ書いて。

ちょっと家に仕事持ち帰っていたのでそれでもやろうかな~と思いつつ、

ラインで友人に話しかける。大丈夫、夕方。時間はあるし、

今日は夕飯も作らなきゃならないんだっけ。買い出しに行かなくては。


私はたかをくくっていた。どこかで、未涼亜希がやめるはずがないと思っていた。

なんの根拠が、そして花組時代あの戦国時代をともに過ごしてきた

壮さんが辞めるんだぜ?と、別の自分もささやいたけど、無視して、

背を向けて。


みつるさんが専科に行くんだぜ?


みっさまとさやかさんも専科だよ?


蘭寿さんも壮さんも退団だよ。


次々と、別の私が私にささやく。

でも、別の3人目の私もささやいていた。


これから、早霧せいなを支えるのは未涼亜希だよ。


これから個人的に見たい役もいっぱいあるし、技術面でも未涼亜希が必要なんだよ。

まっつさんはそんな人じゃないし、

中途半端のままほっぽってやめたりなんかしない。


中途半端にしかまっつさんのこと知らないのにそう思っていた。

けど、また3月に「心中」・全ツ「ベルサイユのばら」を見て、唐突に思った。


未涼亜希のいる、雪組


未涼亜希のいない、雪組


どちらが魅力的か?と質問されたら、そりゃもう前者ですよ!!!と大声で

叫びたくなる。けれど、全ツの方もこういってはなんだけれど、

成り立っていたのだ。正直、壮さんとまっつさんがいなくても、

全国を回れる力のあるステージをできるんだ、と。


ここで誤解してほしくないのは、「早霧せいなを認めていないのか」ということである。

はっきり言います。


私は早霧せいなが大好きです。


だから、「今後の雪組大丈夫か・・・?」と言われると、

「早霧なめんなよ!!!!」って返します。


結果、そういうことなんです。

きっとまっつさんもそう思ったから、やめることを決心したんだ、と。


ちぎちゃんはひとりで歩ける。

私がいなくても、雪組は大丈夫。


きっとまっつさんの実力面からいえば、専科に打診されていたかもしれないし、

このまま雪組に残る、という道もあったと思う。そう思いたい。


私はミズナツキが退団したときに、宝塚をいったん離れた。

社会人としていっぱいいっぱいの時期で、正直タカラヅカを見る余裕もなかったし、

ミズナツキのいないタカラヅカはもういいやって思った。


望海さんの会をやめるのは、なんとなく気が引けて会費だけ払っていた。

どこか「もういいや」と思ってたのに、宝塚と一切縁を切るのはためらわれた、

あの時の中途半端な私。


けど、無料でCS放送を流し見していたときに、まさに人生が変わる出会いがあった。

私、もう一度宝塚見ようって思ったその出会いは、「黒い瞳」の未涼亜希。

初演はビデオテープが擦り切れるほど見た。ほんとに大好きな作品だった。


でも、プガチョフの未涼亜希は何かが違った。


私は紫吹プガチョフを超えるプガチョフはいないと思っていたのに、

未涼亜希は違った。超えるとか、タカラジェンヌってそういうものじゃないんだって

気づいた。


私は気づいたらまた、鴨会に復帰していてCSを契約していた。

そして雪組を中心にまたムラに通いだす。

見ていない作品はかたっぱしから見て、アンに相当お世話になって、

今の私がいる。なんとなくつまらなかった毎日が、色づき始めた。


すべてをまた始めるきっかけを作ってくれたのは未涼亜希で、

未涼亜希がいる雪組がまた好きになった。

正直、未涼亜希がいなかったら雪組をこんなに好きになってなかった。

タカラヅカにも復帰してなかったかも。


壮さんが雪組トップスター就任も大きかったけど、早霧せいなをこんなに好きになったのも

バランスをとってくれた、一緒に演じる人を選びそうで実は選ばない、

オールマイティーに誰が相手でも合わせられる「未涼亜希」という舞台人がいたから。


速報で今回の退団を教えてくれたのはなんの縁かまっつさん関連で友達になった方だった。

一緒に無言になり、一緒に泣いて、こんな素晴らしい友達に出会えたのは

まっつさんのお導きともいっていいほど彼女とは縁がある。

実際、会えたのはまっつさんのおかげなのだ。

今日という日を押しつぶされそうになりながら、なんとか持ちこたえているのは

彼女と落ち着いていろいろ話せたから。ひとりじゃなくてよかった、と

何度も繰り返す。本当にそう思う。


人間というものは不思議なもので、好きな人ともう会えるチャンスが

なくなろうと(=もう雪組に行っても次回公演からまっつさんはいない)、

仕事はあるし、お腹だってすくし、こうやってブログを書いている自分がいる。


ただ、泣いてばかりはいられない。立ち上がって、前を見つめなければ生きられない。


昼は大声で泣いて、その友達と話していったん落ち着きを取り戻した。


けれど、ひとりで夕飯を作っていると孤独を感じ、テレビの音量を上げる。

今日はCSではなく、地上波放送を流している。


四季バカの妹は社会の荒波に乗り出したばかりの新卒で、

いつも疲れて帰ってくる。いつもは何も言わない彼女が、私に対してつぶやく。


「お姉ちゃん、どうしたの?いつもと違うね。」


彼女の鋭さにびっくりしながら、また涙があふれる。

そして、思ったんだ。あー、これ、恋だったんだなぁって。

そして別れの瞬間が来てしまって、また、ひとつの時代が終わるんだなあと。


未涼亜希が大好きで、彼のことを話し出したら止まらない女子高生みたいな自分がいて、

それを共有できる友達がいて。

私の人生幸せだなあと思わずにはいられなくて。


そのキッカケを作ってくれたのは未涼亜希で、宝塚があるから私は

嫌なことがあってもなんとか社会で働いていれるし、働かないと宝塚見れないし。


大げさだなーって思うけど、自分でも思うけど、これは私にとって

恋だったんだ。自分を嫌いにならなくてすんだ、恋だった。


この表現に引く人がいるのはわかってるけど、そう表現せずにはいられない。

8月31日まで、私はこの恋をやめない。


タカラジェンヌ未涼亜希は、8月31日で宝塚歌劇団をやめるけど私の愛した未涼亜希は、

一生私の心にいる。そういうそれ、どういう表現なのっていう表現をするのも、

たぶん私の人生で最初で最後かな。


重い女ですみません。

でも宝塚を好きな女の人は、みんな誰かに恋してるから、輝けるんだと思う。

仕事頑張ろうって思えるし、舞台を見るのを楽しみに毎日を過ごせるって

それだけで人生をなんの趣味もない人の10倍は楽しめる。

しんどいときはしんどいけど。


と、いうことで私は大丈夫です。この恋は永遠ってよく言うし、

会わなきゃよかったっていう恋じゃないのは確かだから。


今日は乙女系のブログでした、苦手な方には申し訳ないです。

(そして長文申し訳ない)





これからの雪組大丈夫か?




――――雪組、なめんなよ!!!!!!!