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雪組 壮一帆様へ

私が一番最初に買った舞台写真は、朝海さんではなく
あさきゆめみし」新公の頭の中将の金髪巻き毛の着物姿の壮一帆さんでした。
今から何年前になるのでしょう。
凛々しいまっすぐな目線にひきよせられ、友人に「名前も知らないでしょ?」と
つっこまれながら買ったこと、今思い出しました。

一番最初に生で見た壮さんステキ!と思ったのは雪組「Romance de Paris」の
ディディエでした。あのお話が好きだった、というのもあるし、社長椅子で
堂々とコムちゃんと対等にお芝居している姿に今壮さんの代名詞ともなっている
「ドヤ顔」にあの頃から自然と惹かれている自分がいました。

それから壮さんの出演している作品は忘れられないものばかりです。
あの頭の中将の舞台写真を買った時から、私は壮さんの背中を追いかけてきました。
となみちゃん会で売られてた壮画伯のメモパッドを5セット買って授業中の友人たちとの
お手紙交換に使ってたことも、いい思い出です。

「あのメモパッドはあくるしか使ってないから、すぐあくるからのものってわかる」

と言われたとき、「もうあの絵傑作でしょ」と壮さんの絵心を我がもののように
自慢していたということを今伝えたら、きっと壮さんは

「え?そんなもん描いたっけ?」

とひょうひょうと答えるのでしょうね。私の中では今も宝物です。
あの頃は雪組のえと文に必ずと言っていいほど登場していた壮さんが、
花組に行ってしまった時

「もう雪組じゃないんだ」

とちょっとばかり寂しくなったことも事実ですが、それでも私は追いかけ続けました。
太王四神記」の大長老役は、壮さんが「化けた」作品であり
あの作品の冒頭、堂々と未涼さんが長い説明文を丁寧にしゃべり、
壮さんの「怪演」そのおふたりが今私の大好きな雪組で作品を一緒に作られていること、
私は宝塚ファンでよかったと、この運命のめぐりあわせに
不思議な縁を勝手に感じています。

話は前後しますが「メランコリックジゴロ」でも二番手で正塚作品でしたね。
シューイチローの作品と正塚作品、そして宝塚歌舞伎ベルばら、壮さんはどこまででも
何色にでも染まれる万能プレーヤーでした。
私はそのカメレオン役者ぶり、どの演出家でも「壮なら大丈夫」と任せられる役の大きさ、
本当に心の中で拍手をしすぎて手が痛くなることもしばしばでした。

同期の蘭寿さんトップの作品「ファントム」・・・ゴールデン82期万歳と
あの時心の中で何回も唱えましたよ。キャリエール壮さんの大きな愛に劇場は包まれ、
涙がとまらなかったことを伝えられるならば、きっと壮さんは

「うん、それ知ってる」

とおっしゃるのでしょうね。ドヤ顔の壮さん。ラスボス感あふれる壮さん。
「こいつをクリアしなければ、このゲームは終わらない」という作品を
作り続けた壮さん。

今の雪組がこんないい雰囲気に包まれていること、雪組ファンとして誇りです。
「シャルウィ?/コンタカ」に通えてよかった。
けれど、まだ発売されたばかりのDVDですが今見るのはつらすぎるみたいです。
だってさっきから涙が止まらないから。

でも、まだ半年あります。もう半年しかない、なんて言いません。
半年もあります。日本物の雪組を復活させてくれた壮さん。
古き良き宝塚を復活させてくれた壮さん。壮さんが雪組トップの時代はね、と
私は孫にまで伝えることを、約束します。
私が子孫を残せればの話ですが、残せなかったら笑って許して下さい。

100周年に82期ゴールデントップが辞めると言う事実は、受けとめがたいものがあります。
でも壮さんが決めたこと、そう信じて壮さんの雪組を最後まで追いかけます。

名作と呼ばれる作品を壮さんとあゆっちで見れるという「心中・恋の大和路」。
壮さんがずっとやりたいとおっしゃってた「前田慶次」。
最後にこのような作品を生で見れるなんて、私たちは幸せ者ですね。

まだ半年もあるじゃないか。今は涙で前が見えないけれど、今年の蝉が鳴くころ、
壮さんが笑っていらっしゃると信じて、私も幸せな気持ちで舞台を見れたらと思っています。
まだありがとうは言いません。まだ半年ありますから。

そういえば、先日中日公演を見に行った時、去年もこんなわくわくした気持ちで
名古屋に通ってたなあって思い出しました。「若き日の唄は忘れじ」。
壮さんの雪組は、これからですよね。まだまだ雪組は進化を続け、私たちを
あっといわせてくれること、楽しみにしています。

2014.2.13

追伸

ショーの壮さんの「見たか!これが雪組やで!!」の笑顔を最後まで見れること、
楽しみにしています。