MENU

わが母・直子の初めての恋を応援したい #母をヅカヲタにする計画

さて、心意気の足りない友人からこの暑さにより買い物に行けなくなった、
という電話がかかってきた。どうやら彼女はこの暑さにバテたらしい。
仕方ない・・・何をしよう・・・と急にヒマになった。

まあ、今日使う予定だったお金はDVD代にでも廻そうか、という
ヅカ算をしながら夢中になって過去のグラフやスチールを
写真に撮る。嗚呼、フォトストリームが宝塚の写真だらけになっていく。

・・・バカか、私は。(たぶんそうだと思いまーす)(あくるさんバカでーす)

と、いうことで、「ダンサ・セレナータ」「セレブリティ」をブルーレイに落としつつ、
スマスマの蘭寿さんをもう一回見直していた。
ほんと楽しいな、これ!何回見ても飽きないな、これ!!
蘭寿さん無双だな、これ!!景子、私マジであなたがこっち側に来てくれたことに感謝する。

そんな中、私のほかにもうひとりスマスマをチラチラ見ている人物がいた。
あえて、母、と呼ばず今日限りは直子、と呼ぼう。

直子は私の母親である。
私は母を尊敬しているし、こんなヅカヲタな娘を寛容に見守ってくれていることに
感謝もしている。・・・ただし、直子、ヅカヲタではない。
なぜここで母、とは呼ばず「直子」と呼ぶのか。

それは直子も宝塚の男役の前ではひとりの女だからである。

これはチャンスである。大事なことなのでもう一度いう。

これは、チャンスである!!!!!!

「お母さん、この蘭寿さんてさ、かっこいいよね」
「うん、かっこいいね」

さすが直子。「きれい」ではなく「かっこいい」という形容詞を使うあたりが
私の母である。(私が「かっこいい」という形容詞を先に言ったからでは?」という
質疑応答は一切受け付けておりません)

「あのさ、蘭寿さんてさ、西宮市出身でさ」

「ああー、H(私の実妹・直子の娘)とこじゃん」

「そうそう!歌もね、お芝居もすごいの。あとね、特筆すべきなのはダンスね!ダンス!!」

「特筆すべき」という無意識に歌劇の「高声低声」の呪文を使う自分に
今驚きを隠せないが、もはやそういうのはどうでもいい。

今は、とにかく、母を落とす!!!!!!

「へえー、細いのに」
「もうね、腰!!腰なの!!!ちょっと、香取くんがオーシャンズ見たっていってたでしょ?
あれ、あるんだけど、どうかな?午後ひまでしょ?」
「ひまってわけじゃないけどさー・・・」
「でもさ、私も見たいから!マジで後悔させないから!!」

こうなったらごり押しである。今の私は白鵬より強い←勘違い

「うーん・・・面白い?」
「面白いよ!「オーシャンズ11」ていう映画の舞台版で、ほら!「ER」
ジョージ・クルーニー役を蘭寿さんがやってるの!」
ジョージ!?」

言い忘れていたが、直子は「ER」からのジョージ・クルーニーファンである。
彼女はジョージ・クルーニーさんを「ジョージ」と呼ぶ。
所ジョージ氏のことではない。←わかってる

「あの映画面白かったわ。うん、見よう」
「よし!!!(心の中でガッツポーズ)見よう!!!」

おもむろに、いそいそと、わくわくしながら、DVDをセットする私。
昼食の準備をする直子。
可及的速やかに、山の天気のごとく気の変わることが早い直子の
気が変わる前に始めなければならない。

ちなみに、直子のヅカ知識は「イーハトーヴ 夢」の柚希礼音のザネリと、
今の星組トップスター柚希礼音は同一人物ではない、と信じて疑わないくらいの知識
(何度言ってもわかってくれない)。
柚希氏の名前は覚えたが、顔は覚えていない。と、いうことで全然知らないに等しい。

「フェイッ、シティー!フェィッ、シティー!!!」

もう私は完全にテレビにくぎ付けだが、直子のことを忘れていたわけではない。
踊り狂う蘭寿さんをチラチラ見ながら、直子の様子もうかがう。
直子も目がテレビに行っている。よしよし、つかみはオッケーだ。

その瞬間である。

「あっだああああああああああ!!!!!!!!」

・・・神さまはいじわるである。直子に、悲劇が襲った。

「手ぇ、切ったああああああああああああ!!!!!!!」

断末魔の叫び。もう一度いう。直子に、悲劇が襲った。
・・・包丁で手を切ってしまったのよ。蘭寿さんとみっさまのダンスに気を取られて。
手元を見ず、蘭寿さんを見てしまったがために起こった悲劇。

・・・と、いうことで私の計画はまだ進んでいない。
病院から帰ってきた直子は、「フェイッシティー!!!」と歌って踊る蘭寿さんは
残っているはずなのだが暑さとケガの衝撃から「タカラヅカを見ていた」という事実を
忘れてしまったようだ。最近物忘れが激しくなった直子のまずさが際立った。

彼女は偶然帰省中だった末娘Wにすべてをまかせ、怒涛のHDD整理にうつった。

あまちゃん→思い出のメロディ→甲子園の高校野球中継、
NHK番組を一通り見て、そろそろかなーと時をうかがう。
彼女の精神面はとてもデリケートである。タイミングを逃してはならない。

「お母さん、オーsh」
「トンイ見ていい?」

・・・父である。この男、本当に間が悪い。韓ドラ「トンイ」に最近夢中の我が父・よっちゃん。


よっちゃん・・・


私・・・


この夏、絶対直子を落とすんだからぁぁぁぁぁぁ!(蘭寿さんと)。

「愛の革命の詩」は革命家ジェラールのみり様と同様の心意気で、



直子を、



落とす!!!!!!!!!(蘭寿さんと)。

※ちなみに蘭寿さんにこだわるのは「フェイッシティーーー」の蘭寿さんの無双さに
手を負傷するという母の人生では初めての体験だと思うため。
REVUE本の表紙を見せて「この人鼻が高いね」と即座に反応したのも蘭寿とむ氏でした。

あんなに目の前でCSを見ててもなんの反応しなかった、直子が
初めて手を負傷するほどの本気の恋を見つけた瞬間を私は見逃さない。

真剣に彼女の恋を応援したいと思っている。




・・・単なる語れる仲間を家族に増やしたいだけの、お話です。
なお、ケガは軽傷だったためご心配なく♡ツイッターで心配してくださったみなさま、
すみませんでした。ありがとうございます。

日々、直子をジリジリと猛暑の夏の日差しのごとくヅカヲタにしていきたいと思います♡