おはようございます。
久々に星組以外の組の公演を見ての感想。
・・・メイクが・・・みんなブラウン系・・・!!!(そしてナチュラル)
そんなこんなで、星組さんのアイシャドウブルー確率ハンパねえんだな、と
実感。CS鑑賞、月組「エドワード8世」新人公演感想文です。
■ タマキ君のスター性
タマキ君ってこういう誠実な役似合うなー、というのが第一印象。
いや、誠実というか、優しさあふれる青年役、みたいな。
デイビットは誠実?っていうのはともかくとして、ひとりの女性を
最後は幸せにする力があるというか。
タマキ君は私の印象だけいうと、
実力はこのエドワード8世のときは「B」くらいだと思うのね。
決して「A(優)」ではないと思う。歌も、演技も、芝居も「おお!!!」という
力はまだついていない。それは本役のきりやんができすぎてるという
大きなハンディがあるということ、きりやんのサヨナラ公演ムードが
非常に高く、間違いなく「アテガキ」という新人公演では最も不利な
公演ということ、のふたつ。
タマキ君の実力がどうこうじゃなく、この作品自体が新公もあるんだよ、という
ことを忘れ気味だと思うほどきりやんのための公演なので、
タマキ君は相当苦労したと思う。
でも、実にいい新公だった。殺伐とした空気はなく、穏やかに進む。
でもそれはときに、いい場合と悪い場合があり、
「絶対この演技で!!」というギラギラ感のある人が特に目立たなかったのが
群衆芝居の月組だな、という印象。
きっちり役をわきまえ、「俺が!!」「俺が!!」という方がいない。
それが、タマキ君はそういう「俺が!!」タイプでもないし、このお芝居の性質でもないので
月組らしい新公だな、と逆にうれしかった。
新公でも「芝居の月組」感出てました。組配属ってよくできてるよね、
月組っぽい人はちゃんと出てくるんだもんね。
そうそう、タマキ君の話。
私は本公演を何回も見ているので、つい「きりやんの言い方はこうだったな・・・」とか、
比べがちになっちゃうんだけどタマキ君はなんといっても
そのナチュラルなひとつひとつのしぐさが心を打つ。
たとえば、ウォリスを背後から抱きしめるシーンとか、すっごくよかった。
優しさにあふれてた。タッパがあるって最強・・・!!とまたしても
体の話になってしまう(笑)毎回どこ見てるんだ、私。
セリフとセリフの間などが絶妙で、これは天性のものだと思います。
きっちり段取りもこなしてるし、ミスがない。
驚くほどの歌ウマさん、とかでもないのにこのスターオーラ。
真ん中に立つ人の器みたいのを端々に感じました。
もっともっと成長できる人だと思うので、「ルパン」も期待。
しかしタマキ君は本当に月組男役だなーと、改めて思いました。
なんていうんだろう、伝統と格式高いミュージカルの月組のプライドをすでに持っている
男役というか、しなやかなのにカッコイイんですよね。
オススメはなんといってもちゃぴ(ヒール履いてあの身長で)を
包み込むシーンです。オイ、たまんねえな珠城りょう。
絡む人たちはほとんど上級生だというのに緊張のキの字も見えない、
しっかりとした主演ぶりでした。タバコのしぐさはちょっと幼さが残るけど。
あと、全体的にフランクで軽い感じが逆によい。
私はああいう人が好き(ハイハイ)
■ ちゃぴの性転換が成功した月組の底力
今回は大人の女性・ウォリス・シンプソン。
「ジプシー男爵」のときのジプシーのキャピキャピ感がなく、
落ち着いていてでもおきゃんな魅力あふれるウォリス。
これもまりもちゃんの「アテガキ」感がすごいので、おっとりタイプの
ちゃぴに・・・?とも思ったんだけど、案外ハマる。
むしろ、「ミーマイ」のサリーなどがハマっていたので、本来こういう役のほうが
彼女の得意分野なのかもしれない。
デイビットに水をかけられるシーンで本気のイラッが見える(笑)
ちゃぴがアメリカ人、というのが似合ってるのかもしれないし、
後半のタマキ君とのお芝居なんかもすごくいい。
あと、ロイヤルファミリーの嫌味ったらしい小姑(笑)たちのあしらいかたの
うまさ!本公演のまりもちゃんだったらこういうだろうなーという感じの
「アテガキ」をうまく自分の中に取り込んで、ちゃぴ独特のウォリスを作り上げていて
さすがまさきさんの女の子だけのことはある、と結果論から入りました。
グリーンのドレス姿がすらっとしたスタイルのよさで着こなしていたのも
魅力。娘役さんはお衣装をどれだけ着こなすかが難しいところだけど
もともと男役だったことを忘れてたくらいドレスが似合う。
細いし、くびれがあるし。あ、また体の話してる(すでに変態)
■ 今回のちなつちゃん
ちなつちゃん(鳳月杏)のトーマス(本役・明日海りお)は手堅い作り。
まじめで実直、いかにも信頼できる側近という感じがいい。
あたまでっかちな考えを持つ感じもすごくよく出てた。
細かいところではデイビットにタバコをつけてあげるしぐさがツボです。
■ 今回のアキサヤ
本役さん(龍真咲)の何か一物もってる、というミステリアスな芝居はあまり見えない。
それはアキサヤが太陽の子だから(思い込み)。
ちょっと皮肉っていうべきところとか、「僕、ソビエドのスパイなんです☆」とか
「この太陽の子が!!??」とびっくりする(笑)
明るいガイで、ちょっと陽気ともいえる。楽天家っぽいところが
アキサヤらしくて本役さんと結構色を変えてきたな・・・という印象。
以下、箇条書き。
・ロッカート役の輝月ゆうま君は安定の演技。
その学年でその落ち着き!?まじか!!
・愛風ゆめちゃんの顔と声が好きでした。ちょっと癖ある感じがめっちゃカワイイ。
・ゆりや王子の白髪が衝撃。
・チャーチルってすごく大切な役だったんだ、とからんちゃんを見て思う。
それにしても、ギラギラ感のない公演が久々すぎる(私が)。