MENU

ようこそ、グランドホテルへ。②疲れたプリマドンナを愛希れいかがチェックインすると伝説が始まる。

「冷凍保存した瀬奈じゅんさんがいる!!!!現役時代と!!!!

お変わらない姿!!!!!!」

 

・・・と、見た者は驚愕したエリザベート・ガラコンサートの瀬奈じゅんさんこと

月組絶対王者・あさこさん」。

彼は100周年を彩り花を添え立派に卒業された花組の生きる伝説・

蘭寿とむさんに「あさこさーん!かっこいい!!」と呼び掛けられると

振り向くまでもなく、「うん!!!知ってる!!!!!!」と答える

「敵を敵にしないスーパースター瀬奈じゅん、通称あさこさん」

であった。瀬奈じゅんはあさこさま、ではない。どこまでいってもあさこさん、である。

「さま」付けしなくても深いカリスマ性とキャラクターで「さま」付けより深い意味と

敬意を払って「さん」付けを貫いたトップスターであった・・・と、私は思っている。

 

花組男役として青春を過ごし、月組に異動になりふとしたタイミングであさこさんは

おっしゃった。(もう「さん」付けが申し訳ないレベルなので「殿下」とか「閣下」とか

呼びたいんだけど、それはそれであさこさんじゃないから仕方ないから私は

「さん」付けで呼んでいる)(「あさこさま」なんて呼べないのです、申し訳ないので。

そんなあさこさんは浅くて軽い人間ではない。)

 

月組ってさ、土臭いんだよね。」

 

・・・さすが文通クラブ部長であり、1年間78期のグラフで同期紹介の

ホスト役を務めたあさこさんです。

 

そうなんです、あさこさんの時代再びだと私は思っています。

 

「土臭い月組」がよみがえる瞬間が

この「グランドホテル」再演だった!!!!

 

・・・なんかあくるさんすっげー大げさなこといってるよね?

そして前置き長いよね?土臭い月組ってバカにしてるの?

 

あさこさんに代わって、私は自分の地位と財産をなげうって伝えたい。

(※そもそもない)

 

最大級の褒め言葉です!!!!!

 

・・・はい、グランドホテルの感想②。今夜も熱くて眠れない夜の始まりだよ。

 

 

愛希れいか / 

アラフォーの伝説のプリマドンナ 恋をして少女になる

 

 

私ね、もう愛希れいかを「ちゃぴ」と呼べない体になってしまったよ。

「いや~~~たまちゃぴ萌え~~~~」とかね、死んでも言えない生体になってしまったよ。

だってさ、愛希さんはタカラジェンヌでなくなってしまったから。

 

これはディスっているわけでじゃないよ?

何度も何度も言うけれど、今愛希さんをディスったら宝塚ファン全員敵に回すことくらい

私わかってるしそもそもそんな気もないし愛希さんはね、

もうそういう

ディスる」「ディスらない」の

次元じゃないお方なんだよ。

 

愛希さんは、伝説のトップスターであり、伝説の生きる女優なんですよ。

 

あまりの女優っぷりにタカラジェンヌの枠を軽々とまたいでしまった女優・・・

というかもう俳優?俳優だな。

 

その昔、まだパソコンが家庭に入って間もないころ私は父に

百科事典のソフトを入れてもらいましてね。いや、めっちゃ平凡な家庭だったんだけど

新しい物好きのB型家族は「パソコンとやらはすごいらしいぞ!!!」という

噂を聞いてもともと自由主義の父は小学生だった私たち娘にも

「はさみは使いようだ。パソコンも、使いようだぞ。」ってもう神!?お父さん神!!??

っていうただ(自分無趣味だから買ったはいいものの使う用途がないんでな・・・)

と「買ったのにもったいないから」って百科事典ソフトを入れてくれただけ。

私は夜な夜ないろんなワードを検索しては遊んでたというどうでもいい昔話なんだけど、

ある日「岩下志麻」を検索したときがあったの。

 

そのとき、岩下志麻は「俳優」だったの。

 

なにそれ

かっけーーーーーーーー!!!!!

ってならない?私ものすごく感激して

 

「極道の妻は「女優」なのに「俳優」っていうくくりなの!?

かっこいい!!!!!「女優」なのに「俳優」なの!!??

かっこいいよ・・・かっこいいよ岩下志麻!!!!」

 

極道の妻たちを見たことない私がなぜ岩下志麻を検索したかは

もはや謎ではあるのですが、最上級にかっこいいと思った、という話です。(長い)

 

ところが。ところがですよ。

 

ちゃぴ、いや愛希さんは岩下志麻を超えたんですよ。私の中で。

岩下志麻は「女優」→「俳優」の二段階進化でしたよね。

 

愛希れいかさんは

タカラジェンヌ」→「女優」→「俳優」

三段階進化を遂げたのだから!!!!!ポケモン世代)

 

グルーシンスカヤ。

 

ロシアの伝説的プリマドンナ、フランス人。

彼女は5回目の引退公演の真っ最中。

気づけば、彼女の周りにはデビューのころから一緒のマネージャーと、

自分に歯向かわず意見にひたすら同意し、お金も援助する、と慕うラファエラだけが

彼女の味方。

アラフォーのプリマドンナは「引退公演」を重ねるたび、客席が埋まることが少なくなる。

グランドホテルで暇を持て余すドクターですら、誘いに見向きもしない。


客席からアンコールがかからなかったベルリン公演、彼女は

周りから逃げるようにグランドホテルに戻る。部屋で嘆き悲しんでいる

伝説のアラフォープリマドンナ

 

もう私は踊らない。踊れない。相手にしてくれる人はいない。

私を愛してくれる人はいない・・・。

 

電気をつけると、そこにはハンサムで美丈夫な男性がいた。

彼は枯れたプリマドンナに近づき、そっと、彼女に、希望を与える言葉をささやく-----。

 

私は予習もなんにもしなかったので(しつこいようですが)

愛希さんのこのグルーシンスカヤというバレリーナアラフォー(39歳と39カ月)

ということも、もう見向きもされない枯れたプリマドンナとも、

バレエという自分の生きる使命に夢中で

恋をしてこなかったもったいない女性とも

知らなかったんです。というかそんなヒロインタカラヅカじゃないじゃん?

って感じです。あ、初演はフラムシェンが麻乃佳世さんだったからそれでいいのか。

 

しかし、愛希さんは違った。

 

アラフォーの人々の記憶から忘れられた

みじめなプリマドンナ

ヒロインに仕上げてきた!!!!!

 

これは大事件ですよ。だって愛希さん、たぶんすみれコードに引っかかること

あえていうけど20代ですよね?若くてなんでも可能な花の20代。

でもね、男爵に会うまでのグルーシンスカヤっていうか、愛希さんは

まぎれもなく40代の時代に取り残されたバレリーナなんですよ。

 

話し方も、歩き方も、仕草も全部アラフォーなんですよ!!!!

 

特に部屋に帰っていくときの脚の俊敏ささえもはやアラフォーの走り方なんですよ!!!

身体能力が長けていることで有名な愛希さんが、陸上部からの誘いを

人生で数えきれないほど何度も受けてきた愛希さんが(あくるさんの想像です)

 

走り方が間違いなく、年を重ねた女性であった・・・。

 

いうなれば神社とか、寺とかで見る女性の走り方だった・・・

(場所の特定する必要、あります?)

 

すごい衝撃だった。もうこれで時代は愛希さんに追いつけないと思った。

 

愛希さんは俳優になった!!!!

 

まだまだ愛希伝説は始まったばかりです。

(このテンションがいつまで続くのかも見ものです)

 

男爵に出会ったグルーシンスカヤは恋をします。

それも、29歳と29カ月、自分のモンテカルロの「ロミオとジュリエット」を

見たという青年。自分にはない、若く、生きる喜びを知っている男。

男は言います。

 

「あなたのファンです。」

「あなたの呼吸を、呼吸するためにここにいます。」

 

絶対嘘だろ!!!!!!

(呼吸を呼吸するってそれもうヘンタイやん!!!)

 

しかし思い出してください。グルーシンスカヤは久々、いや、初めてかもしれません。

こんなに情熱を目に宿した青年と、向き合うのは。

バレエ一筋でやってきた彼女に青春はなかった。

青年が眩しくて、信じられない、ねえ冷静になって?という観客の言葉も届きません。

 

グルーシンスカヤは一夜にして真実の愛を手に入れてしまったのです。

初めての恋を知ったような少女の気持ちを彼女は歌う。

「ボンジュール、アムール!!!」

 

彼は明日、私とウィーンへ行くの。バラの花束を胸いっぱいに持って、

私を待っててくれるの。彼との生活ーーーーー夢のようだわ。

きっと甘くて、とろけるようなチョコレートのような毎日よ!

 

少女に戻ったグルーシンスカヤはラファエラに、胸いっぱいの喜びを

子どものように、歌うように聞かせるでしょう。男爵のステキなところ、

たくさんあるのよ、たとえばそうねーーーーー。

 

・・・ね!!!!こんな愛希さん目に浮かぶよね!!!!


さっきまでは確かに「39歳39か月」だったグルーシンスカヤが

愛希さんが演じるというかもうなんだろう、愛希さんがグルーシンスカヤに

命を入れるとと10代の少女になるんですよ。

 

これが、愛希れいか伝説です。

 

え?ちゃぴはちゃぴでしょ???

 

劇場でお確かめください。損はさせません!!!!!!

 

俳優・愛希れいか、グランドホテルに滞在中。

 

 

次回予告です。

 

グランドホテルにチェックインしている人物はさまざまな人生を送っている。

地位も名誉もないけど金ならある簿記係、

ちょっとおつむが軽いタイピスト、仕事で行き詰まり犯罪を犯す実業家、

嫁が子どもを産むときも家に帰れないフロント係、

客のいないステージで踊り続けるバレリーナを献身的に支える付き人。

 

彼らも、彼女らも、陽気なメロディで奏で続けるチャールストンのように、

明るく人生を生きたいだけなのに。

 

 

~次回に続く~