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龍真咲というトップスター。その1

今回いつもお世話になっているお友達にご縁をいただき、

月組公演DC「Voice」を見てきました。

 

書きたいことがたっくさんある公演で、冗談で

「真咲さんに説教されてくる(笑)」といいながら軽い気持ちで

見に行ったのですがあらためて

 

龍真咲というトップスターのなんたるか」

 

を見せつけられて帰ってきました。

真咲さんに説教されて学ばせてもらって、帰ってきた今は

目が覚めた想いです。

 

龍真咲は偉大でした。

 

公演はもう盛りだくさんの内容で、楽しくって泣いて笑って

あっという間のDC公演。

蘭寿さんコン以来のライブだったしペンライトも持ってないし

私浮くんじゃないかと思っていたのですが、いつもの楽しい宝塚

 

プラス

 

「見ないで文句ばっか見てないんで一回見にこい!

それであるなら文句を言え!」

 

 

龍真咲月組トップスターという看板の集大成」

 

を見せられて圧倒されてそれでいてもうこんなトップスターは

もう出てこないのではないか、私はもしかして伝説に残る

トップスターの公演を見ているのではないかと目が覚めた。

 

「できない」んじゃなく「やる」

 

「不可能」ではなく「可能にする努力をする」

 

公演内容も全ツ組と重なって友人の座席の目の前に

蓮つかさくんが座り二人で死にそうになったり

 

カチャが真咲さんにいじられまくっていて

とうとう天下の宝刀「鶏の真似」を披露しこれ本当にカチャの特技だったんだ・・・と

圧倒されたり

 

ナガさんをずっとMCの間中いじったり(組長をイジるトップスター初めて見た)

 

神のはずのみやちゃんが真咲さんに振り回されてて

人間に戻っていたり

 

ゆり王子が女装失敗していたり

 

A-EN学園の王子様アーサー様降臨されていて血の気が引いたり

 

そりゃもういろいろあったのですがそれはまた追記。

 

 

私はたまたま真咲さんがトップスターになった瞬間に立ち会っていて、

その複雑な「おい、月P」となった瞬間も知っているには知っているんですけど、

うわべでちょっとうかがっているというか。

 

結局お披露目「ロミオとジュリエット」はロミオマサキver.のみ観劇。

ベルサイユのばら」はあの頃の月Pほんと頭おかしいと思ってたんですけど

一日にマチソワでAパターンBパターンやるという役替わりの日に

観劇してもう見る側もわけわかんないままバタバタと終わっていって。

 

見てる側もしんどいけど、やる側もっとしんどいだろうなー、と

思ってました。
これやれっていう方簡単だけどやらされる方死ぬよな、とも。

 

で、私が気になったのは「準トップスター明日海りお」という二番手ポジだけど

トップの役をする明日海さんもなんですけど、

「トップスターなのに二番手をする龍真咲」という真咲さんの精神的なところ。

 

明日海さんも大変だろうけどそれ以上に大変なのは真咲さんじゃないかと

見ながらぼんやり思ってて。本当にぼんやりだけど。

真咲さんには申し訳ないくらい超他人事で月組さんを見ていて、

その人事で傷ついているであろう二人や、振り回される組子の精神状態に

気を取られて正直なところ、あまり公演内容に集中できてなかった。

 

真咲さんって頭がいい人だと思う。

いや、あのトークのキレや頭の回転の速さ、挨拶など見てても

ほんっとに頭のいい人だと感じる。

 

観客が公演内容に集中していないことや、

みんななにかしらのモヤモヤが漂ってしまっていること。

 

鈍感な私でさえ劇場で感じるので月組ファンの方は身を斬るような想いで

それを感じられていたのではないかと思う。

 

そして、それを敏感に察することのできる真咲さんが何をやめたといえば

 

「いいこでいることをやめた」。

 

明日海さん異動後、真咲さんはジワジワこれを決行していったと思う。

 

動員数を増やすこと。

チケットをたくさん売ること。

技術面を向上させること。

 

もちろんこれも大事なことだと思う。

トップというのはそういうことも責任を取るのがトップに立つということなんだと思う。

だけれど、これだけでは成り立たないのが宝塚だと私は思う。

 

これも「責任」だけれど、真咲さんのとった「責任」はこれじゃない。

 

組子のいいところ悪いところを見つけて褒めたりダメ出しする。

自分のいいところを前面に出して組の雰囲気を明るくする。

正直に生きる。やりたいことはやるという。

やったからには成功させる。

 

それでもだめだったら、私が責任を取る!!!!

 

私はトップスターは多少わがままでもいいと思う。

それが、組子のやる気につながり、向上心を持つことができ、

責任をひとりひとりもち、みんなで舞台を作る。

 

「真咲さんがそうしたいっていうなら」

 

という原動力でも最初はいい。それが「自分のやりたいこと」につながるなら。

でもうまくいかない。どうしたらいい?

 

いってよ、やろうよ、私が責任持つから!

私も正直に言うしやるし頑張るからお前も頑張れよ!

 

そういう「わがままなトップスター」だけど、「誰もが認めるトップスター」。

上から言われるがままのいいこはやめる。

私は私の生きたいようにする!それが私の人生だから!

 

ある程度の地位があるからこそできること。

それをかなえられる立場。

 

真咲さんはいいこでいることをやめて、やりたいことをやるようになる。

だけれど、責任を放棄したわけじゃない。

 

初日から出来上がった最高のコンディションで最高の舞台を。

ハードなスケジュールでも体調を崩さず調子悪い?という日がない。

ハードルは高く、自分にも厳しく他人にも厳しく。

自意識過剰くらいがちょうどいい。いつも見られているという覚悟で生活する。

 

人間的には自由で気ままで、猫みたいな真咲さんだけれど

舞台人として社会人として、リーダーとして、真咲さんは責任を取っている。

私たちのニーズ以上のものを私たちに魅せてくれる。

 

そういうトップスターがいてもいいじゃないか。

万人受けを狙ってもつまらない人間になるだけ。

私についてきてくれる人だけついてくればいい。

 

でも、絶対損はさせない!

 

そう真咲さんが叫んでいるように見えた「Voice」。

 

月組トップスター龍真咲の「Voice」。

真咲さんトップ下の月組子の「Voice」。

 

真咲さんの声で目が覚めた。

「誰かに従い言われたままに動くようなつまらない舞台」より、

龍真咲らしい自由で面白い舞台を」。

 

それが、人生を楽しむコツだ!

 

HAPPY 空を見上げ 手をたたこう!

 

龍真咲は、もう迷わない。

 

トップスターという孤独な場所で叫び続けた真咲さんの声が、

聞こえたような気がした。

 

龍真咲は世界に一人、唯一無二。

 

HAPPY 空見上げ 手をたたこう