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花組「ノクターン」。れいちゃんとあきらパイセンで揺れ動く恋心。

今年のバウは間違いなく、「新人開拓の一年」であったように思う。

100周年を迎え、次世代のスターを育てる「バウホール」の役目を果たしている

ラインナップだったに違いない。


私といえば、今年はあまりバウにご縁がなく過ごしてしまったが

毎月のようにCSで放送された新世代の主演作品がとても楽しみだった。


特に心に残っているのが、星組「かもめ」(礼真琴主演)。


そして、今月ファーストランだった奇しくも礼と同期である柚香光の「ノクターン」である。


95期。恐ろしい波が来た。


主演が発表されたときは「まだ早いのでは」と思った柚香の主演も

ふたを開けてみれば見事な「古典ロシア文学」に生きる青年だった。


若く、美しい柚香光。最初のプロローグから引き込まれる、まっすぐな目線と

キラキラオーラに「暗く重いロシア文学もののはずなのに・・・!」となる。

柚香が出てくるだけで、その場が明るくなり物語が生き始める。

重々しいロシア文学もののはずなのに、れいちゃんの表情が豊かで正直。

思わず笑ってしまうほどの顔の変わりように、キュンとなったりするので心情が忙しい(こっちの)。


父親が大好きで、「お父さんと早く話をしたい!」と小さな少年のような顔で、

全身で尊敬を表現する声の弾ませ方。


母親を疎ましく思う「めんどくせえなぁ!」の表情もいいし、


最初にジナイーダに出会い、からかわれるぶーたれた表情もキュンとする。

本当に、10代のウラジミールに出会えて心からからかいたい気持ちになるところであるし、

水美舞斗ベロヴゾーロフに嫉妬する表情、ジナイーダとピアノを弾く姿・・・


そして、尊敬する父親にナイフを向けるときの顔と空気を止める演技。


どれもこれもが、自然と引き込まれるし金髪の髪色ときれいなメイクも映えて

「俺が主役!」という理屈のない理由が説明される感じ。

映像鑑賞なので当たり前なのかもしれないけど、自然に柚香ウラジミールに

目線がいってしまう。特にナイフを取られてジナイーダにからかわれる時の

表情は絶品です。あのとき私もジナイーダと一緒にからかいたかった(れいちゃんを)。


私の想像する柚香光そのものの表情であった・・・

(新卒で入ってきたんだけどコピーさえめんどくさくて後回ししそうな後輩風味)(※褒めてます)


いや、わかってるんだけど、その設定間違ってることは。

けど私の中で柚香光ってとことんめんどくさがり屋で全部後回しにするんだけど、

でも最終的に出来るタイプ、みたいな感じだから(※褒めてます)


(ちなみにマイティはこつこつ努力派で地盤から自分で作っていくタイプに見える。

もちろん出来上がりはすごい、みたいな。上司から一番ウケのいいタイプ・・・)

(一生懸命なところがかわいいとか女受けもいい・・・)


でも、れいちゃんも天性のスター性で結局他部署からはキャーキャー言われてる。

廊下を歩くだけで花が咲くタイプ(フラワーコミックス)。


さて、話を戻すと「かもめ」と「ノクターン」は180度違う作品だ。

「かもめ」は人間の本性をむき出しにして、欠点だけを晒してる人間の集まりの

全員片思い警報の鳴る作品だと思ったのだけれど、同じロシア文学でも

ノクターン」はきれいな白樺の森とピアノのショパンノクターン」が響く世界。

出てくる登場人物は名門貴族や軍人、医者、そして、

息をひそめて森で生きる落ちぶれた未亡人とその娘。


それがジナイーダ(華耀きらり)。


表向き自由奔放でわがままで、いつも取り巻きに囲まれている華やかな女性ジナイーダ。

でもキラキラと光る青年ウラジミールが惹かれるのは、

西日が差す部屋でひとり寂しげにショパンを弾く一人の女性―そこでふたりは連弾をする。


流れるように白樺の森の中、ショパンノクターン」に身を任せ

ワルツを踊るウラジミールとジナイーダ。美しくてため息が出る。

柚香光のしっかりとリードしているワルツがとても美しくタカラヅカでしか表現できない

場面だろう(少女マンガ脳で申し訳ない)。


そして、最大の番狂わせ、いや知っていたけど!!と思わせるのが、雰囲気で

色気がダダ漏れの父親を演じるピョートル(瀬戸かずや)。

硬くプライドが高い妻に嫌気も少しさしているところ、

いかがわしい女性とおつきあいもしているのだが、現役「男」のピョートルの

あきらパイセン・・・さすがです。言葉ではなく、空気が物語るその背景。

同性で息子のウラジミールは気づいていないが「女」でもあるシャルロッタは気づくその「男」の色気。

いやぁ、あきらパイセン、私生で見てたらあの空気耐えられないっす。かっこよすぎてな。


会社にあんな上司いたらちょっとの間違いも起こしてしまいそうな背中です。

っていうかなんでも会社設定、やめろ。いないんだから。(その通りです・・・)

(あきらパイセンみたいな上司いたら仕事にならないわ・・・)(=クビ)


あきらパイセンの息子が、れいちゃん。


とか、マンガあるいは夢設定すぎて原田!!!!となるところなのだが(なぜ演出家に怒る・・・)

それを具体化体現しちゃう花組男役が恐ろしすぎてな・・・。

どうかしちゃったんじゃないかってくらい画面が美しくめまいがしたわ・・・。


そしてあきらパイセンに従うしかなかった、ファムファタールジナイーダきらり様が

とても動揺している姿を見ると


「ていうか、あきらパイセンとれいちゃんに言い寄られたらファムファタールだろうが

なんだろうが、疲れるよね。」


って肩ポンしたくなるこの花組公演よ・・・。いっそのことタソが楽かもよ。

とか助言したくなるよね。(タソに失礼です)

面接員どうしたとしか言いようのない88期の、花組一筋娘役、きらり様。

百戦錬磨の彼女でもあきらパイセンとれいちゃんにいいよられたr(以下略)。


きらり様のジナイーダ、私大好きです。すれているようで、実は純粋。

曲がっているようで、正直。

魅力的なジナイーダでした。そりゃあんだけ取り巻きできるわ。

参加したいもん、あの帽子取り合うゲームしてれいちゃんからかってマイティと崇拝するわ。

そんでタソの白塗り見てケタケタ笑いたい(どんだけ)。


ウラジミールといるときのジナイーダと、取り巻きといるときのジナイーダ。

母親といるときのジナイーダとピョートルに対するジナイーダ。

その表現方法がそれぞれ絶妙に違うのがさすがファムファタールきらり様だなと

(いや、ジナイーダです)


そしてプライドが高く気高い生粋の名家の女性で母親、オリガ(桜一花)。

相変わらずの素晴らしい的確なお芝居でぎゅっと芝居を締める。

決して大きな体ではないのに、包み込むような母性を感じます。

ウラジミールを愛している。そんな母性愛をひしひしと感じるお芝居。

半分お芝居でもないかも。ウラジミールれいちゃんを包み込む愛が「桜一花」でもあり

「オリガ」でもあり・・・花組の母だったよなぁ。と思わずにはいられません。


あるいは社長だな・・・(だから会社にはタカラジェンヌはいないと何度も)

(わかってる)


シャルロッタ(華雅りりか)。「等身大の女の子」を魅力的に演じているなぁ。


全力で、片思い。


そんなキャッチフレーズを付けるのならば、絶対似合うのが華雅りりか氏です。

めっちゃかわいいし、今回もかなりパワフルにぶつかっている華雅氏。

最高の女子力です。


そしてそれをものすごくわかりやすくあしらうウラジミール柚香光。


これもなんか、私のイメージする柚香光っぽくて面白い・・・。

「興味のない相手には全く無反応」

そんなイメージれいちゃん。(私の中だけ)


ひとりひとりのピースががっちりはまって、気高く高貴な香りの漂う

花組が奏でるロシア文学



いいもの見れました。全面的に、柚香光のダンス力だけではなく

歌の表現、芝居の成長を見ることができ。



95期が神すぎる期。



ということは把握できた気がします・・・。



それにしても、目を閉じると思い浮かぶのはノクターンで踊る、柚香光と華耀きらり。

これだけで見る価値はありすぎる公演でした。




・・・原田君、原作ありの小劇場お芝居ならわりと好きなんだけどな・・・・。

オリジナル大劇場となるとどうしてあんなに弱くなるんだ・・・。(小声)



一時のイケコを思い出す・・・(さらに小声)