TRUNK DIARY -ナナメカラタカラヅカ-

宝塚見て早半人生。まだまだ未知の世界すぎて幸せ。

月組「THE KINGDAM」①正塚晴彦

マサツカハルヒコの芝居を堪能した、と久々の充実感を胸に、帰宅。

幸運にもマチソワを見れる機会に恵まれ、「心中」以来のDCに行ってきた。

と、いうわけでマジでいいと思った作品には真摯に触れ合いたい、

根がオタク気質100%ですみません、深夜の真面目オタクは危険です、あくるです。


宙組「翼ある人々」、雪組「心中恋の大和路」と最近DC作品(小劇場系)の

良作が続いているタカラヅカが、ついに十八番を持ってきた、と

ラインナップ発表で正直一番わくわくした作品である。


そもそも私は初観劇の作品が正塚晴彦作品だったこともあり、

かなりひいき目で彼の作品を見てしまう。タカラヅカの中でも癖のある演出家なので、

好きな人はアル中並みにハマってしまう作品を作る作者でもあるが、

ハマらない人はとことん歯車の合わない演出家でもあるといえる。


そして、最近の彼の作品は昔ほどの勢いが少々失速気味なのも認める。

最近の作品は大劇場ものが続いていたり、彼自身の立場が劇団の中でも

かなり上の位置に来ているということも聞こえてきたりするので昔ほど

やんちゃができなくなってきているのでは、と私は個人的にとても心配(別名:余計なお世話)

をしているのだが、そもそも弁護させていただければ彼は「サヨナラ公演演出家」

とか、「企画もの」「話題性」「大作」「お金をかける作品」などとは到底無縁の演出家であり、

「低予算」「若手、あるいは中堅の育てがいのある出演者」「出来上がっていないものを磨く」

という作業を得意とする演出家である(と、思う)。


トップの華やかな大劇場映えする作品を作れだとか、お金かけてもいいから

当たる作品を作れとかは、無理な注文である。

低予算、少人数の役が少なくていい作品、衣装も使いまわしで十分、

ストーリーは少々難解。これ、本当にいい作品かなぁ、と首をかしげてしまう作品を

何回も見たり通ったりしているうちにハマっていく、という麻薬系作品を得意とする(と思っている)。


正直、インパクトのある作品や一回で「宝塚見たぜー!!!」という作品を

作る作り手ではないことを念頭に置いて、この作品を見ているとなるほど、

こういう作品もいいな、ここの若手の使い方サイコーだよな、と


「マサツカ作品を楽しむ」


ことができると思う。そこをクリアできれば、あなたもマサツカハルヒコの虜。

だが、歯車の合わない人は合わないことも重々承知なのでどうしても眠くなる、という

方は申し訳ないが見ないことが一番の対策かもしれない。


そんなこんなで前置きが長くなりました月組DC・青年館公演「THE KINGDAM」。

正塚晴彦臭が香らなくても漂ってくる、セットと照明。

劇場に入った瞬間そこに広がる正塚ワールドはまったく変わらない。

逆に、よくもまあここまで変わらずにこれたものだ、と感心する感覚に襲われる。

世界が変わっても変わらない、正塚晴彦と宝塚歌劇団。実は似た者同士なのかもしれない・・・。


ところでDC系が十八番と先ほど述べた通りなのだが100周年の夏に

もう「若手」とは言いにくい月組男役89期のふたりをダブル主演させるという作品で、

正塚晴彦に白羽の矢を当てた月組Pはなかなかの敏腕ぶりを発揮していると思う。


他の演出家では若手の演出家は伸び盛りで経験値をとにかく積ませる

(やっぱり宝塚は「大劇場作品を作れる」演出家が必要であるのはわかっている。

とりあえず数を増やせばいろんなタイプの作品を見れるのも事実であるため、

これは必須項目だ。どんどんデビューさせるのもひとつの方法として私は賛成派)


中堅は手堅く「人が呼べる演出家」「演者をよく見ることができ、判断できる演出家」を

育てることに専念してほしい。タカラジェンヌもだけど、演出家も新公卒業、

デビュー作、ぽちぽちと経験値を積んで中堅、ここを乗り越えるかどうかで

タカラヅカでやっていくかどうか決めるはず。


大御所・ベテランはだんだん作品の出来よりも、未来の卵たちに指導していくことが

宝塚のお決まりのようだ。音校の指導、文化祭演出に回ることも多く、

そのうち自然と表舞台に出なくなる。ここが私はとても残念に思うところ。

若手・中堅演出家にも「作る過程」を見せることが一番の勉強になると思うし、

劇団推しタカラジェンヌのいいところを引き出すのもなんだかんだでベテランはうまい。

宝塚の裏方は、演出家でもリタイアの発表は出ない。いつのまにか見なくなり、

いつのまにか「100年の殿堂」に入っている(ということがわかった・・・)。


前置きがかなり長くなったのだが、正塚晴彦は今ここの位置だ。


私が第一次でタカラヅカを真剣に見ていたころは、正塚は中堅だった(今思うと)。

小劇場作家と呼ばれ、DC・バウは正塚の庭といわれ(ごめん、これは私が今言っただけ)。

もし今回のこの作品を見て「なーんだ、正塚せんせも面白いもの書けるのね」と

思った方はぜひ10、5年位前の小劇場系を見てほしい。新しい宝塚を見れて、

いいタカラジェンヌにたくさん会えるから。


と、いうことで私がなにを言いたかったかというと久々に「庭」に帰ってきた

正塚晴彦、100周年のタカラヅカに爪痕残しましたよ、ということ。

自分の原点に戻り、若手をがっしがっし使って組み立てていっているこの作品。

月組ファンはもちろんのこと、月組にあまりなじみがない(っていうかカードがことごとく外れて、

チケ運に恵まれない)私でもめっちゃくちゃ楽しめました。


少々とぼけたネタに、オヤジギャグ、小ネタに最後解決しているかどうかわからない終わり方。

「で、結局どうなった」感が強いけれどそれはスピンオフというテーマをふまえてなら

面白い。この作品にはぴったりの終わり方だと私は思ったな。


そして、ハードボイルド風でベタベタのない男女の関係に

凡人には思いつかない「意外な」配役設定。


私が発狂した紫門ゆりやのロシア人、鳳月杏の部長、蓮つかさの革命家リーダー。

この3人は正塚晴彦にお中元とお年賀を毎年贈ってもバチは当たらないと思うくらいの

いいキャラを演じている。ファンが発狂する配役を設定するのも演出家の才能だ。

「こんな贔屓を見たかった!」っていうのがタカラヅカファンの常である。


さて、どこにも需要がない正塚晴彦への愛を気持ち悪く語ったところで、

今回の主役2人、取り巻く人々を真面目に書きます。


どうせこんな暑くて興奮にまみれている眠れない夜なのだから、とこっとん気持ち悪く書きます。

このノリお断り、でしたらUターンをオススメ。本当に今日のあくるさんは、



気持ち悪いから。



(この作品が好きすぎて、の意です。別にイベントもなにもない作品なのに

ここまで見ててわくわくした作品にはなかなか出会えない。

しかし私の両側の席の方はこっくりきていましたので、万人受けタイプの作品ではないことも

重々承知。それでもついてきてくれる方、よろしくお願いします。)




・・・今読み返したけど、あくるさん誰って感じだし偉そうだしで

なんか申し訳ないほどつまらない記事だな・・・。




でもさ、許して。私やっぱり正塚晴彦が好き。(やっぱり猫が好き、のニュアンス)(伝わるといいな)