蘭寿さん、大劇場ご卒業おめでとうございます。
これでまたひとつの時代が終わりました。
私にとって82期とは、
「過去最高倍率の受験をくぐりぬけタカラジェンヌになったすごい期の人たち」
であり、
「期くくりで応援するという楽しさを教えてくれた期」
でした。
私が宝塚ファンになった時は82期がそれぞれ各組の新人公演で奮闘している時。
蘭寿さん壮さんはもちろん、紺野まひるちゃんに涼紫央さん。
遼河はるひさんに月船さららさん。華宮あいりさんも速水リキさんもいたし、
叶千佳ちゃんや西條三恵ちゃんも実力派だったなぁ。
あと、沢樹くるみちゃんが大好きだったっけ!
今でも結構スラスラ名前が出てくるし、最後遼河さんが主演をしたとき
「もしかしたら全組82期トップスター!?」なんていう今では笑い話を議論してました。
もちろんそんなうまくいく話は宝塚にはないけれど、あの時は82期がキラッキラしてて
本当に82期生からトップスターが出てくるときを心待ちにしていた時。
蘭寿さんは首席入団、で卒業まで82期が並んだとき名前が最初にある方でした。
何をやっても輝いていて、「とにかく蘭寿とむはすごいらしい」という
某四季の某公演の煽り文句みたいなことを劇場でお隣の方(初対面)と話したり。
あの戦国時代の花組を戦い貫き、宙組でそこに欲しいものがあるのに届かないような、
もうすこし、あと少しで届くのに、という時もあったなぁ。
だから、花組さんの「ファントム」の冒頭の「蘭寿とむのダンス」に私は引き込まれて
この日があっというまに来ました。
あのダンスから、蘭ちゃんにお金渡すからあかんねん!と樹里ちゃんに説教されたり(「復活」)
赤いジャケットに谷先生お気に入りの飛行機に乗って星の王子様したり(「サン・テグジュペリ」)
私DCデビュー蘭寿さんだったっけ、とか(「SOL」)
これジョージ・クルーニー超えたね、これね、アメリカでやってたらトニー賞もらえたねと
思えるちょいワル男やったり(「オーシャンズ11」)
ついに逆転裁判とはまた違うレベルのゲーヲタまでファン層巻き込むかあ、と思ったり(「戦国BASARA」)
マンガから出てきたような縦ロールと美しいダイヤモンドの涙を蘭寿とむは
流すんだぜ、とうわさが流れたり(コンタクトが涙とともに流れる現象)(「愛と革命の詩」)
最後は車に乗って海辺にくるっていうイケメンしかやっちゃいけないことをさらりとやってのけ
全女子をメロメロにしたし(「ラスト・タイクーン」)
・・・ほんとどこまでかっこいいのよ、蘭寿とむ。その生き方に惚れぼれするわ。
蘭寿とむは、楽しいことよりも、苦しいことの方が多かったかもしれない。
けれど、運命に蘭寿とむは屈しなかったし、逃げることもせず、
「蘭寿とむ」というタカラジェンヌ人生を演じきったんですね。なーんも、いえねえや。
かっこよすぎて。
まだ東京公演があるし、月特出も残ってるけど、今日で区切りなんですね。
82期のヒーローであり、リーダーであり、誇りだった蘭寿とむというタカラジェンヌは
これからも私の記憶に残り続けるでしょう。そして、全宝塚ファンの。
記録より、記憶に残るものを作り続ける。
蘭寿さんのモンローの言葉が東宝組の少しでも多くの方に届きますよう。
蘭寿さん、ご卒業おめでとうございます。