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星組「眠らない男 ナポレオン」ガッツリ星組芝居と主演ふたりの脅威

と、いうわけで行ってきました星組さん。

やっと私も本格的に無事今年も宝塚活動の初日を迎えることができました。
いやいや、それにしてもすごい舞台ですね。
すごい舞台すぎて私、自分自身の体が支えられず舞台からの
星組パワーに圧倒され背もたれから背中を離すことができませんでした。

しかしまぁ、パレードの柚希さんのナイアガラバッサーを見て確信。


今年もいい年になりそうだと。


【その1】星組のパワーの風圧がすごい。

今回のナポレオン、まぁ舞台に乗っている役者の数が半端ない!
常に大量の人間が舞台に乗っています。
そして舞台衣装やら装置やら大道具がいちいち豪華なのでどこを見ていいか
とりあえず、

戸惑うよね。

最初は真ん中から見る、ということで真ん中を基本見ていたつもりなのですが
まー視界に入ってくるシュウシオツキ始め星組イケメン軍団に
私のヒットポイントは減るばかりでして。
最後のパレードはグッタリきてました。
音の洪水に、衣装の金の掛け方、柚希さんの星組伝統の星組芝居の大きさに圧倒。
年末の雪組さんとは比べるのはあれなんですが
舞台のタイプが180度違う伝統の「ゴージャス星組」でやったからこそ
このナポレオンは成立しているんだなとひしひしと感じました。

この素人目でも難しい芝居を成立させている星組パワーに
奇跡を感じるとしか言いようがないです。

シューイチローコイケもとんだ鬼才ですよ。
ああサディストシューイチローコイケ。

このクオリティが12日目でできているとは千秋楽はどうなっているんだ…。

いろいろ変更点も毎日あったみたいですが、サディストシューイチロー
この芝居ができる星組さんは間違いなく最強の組ですね。


【柚希礼音】   ナポレオン・ボナパルト


柚希さんのお芝居は人間くさいんですよね。
「作り物」の男役のはずなのに、「本物の」男性のような。
いい意味で今回も非常に人間くさい。
ジョセフィーヌに対する愛も臣下に対する態度、上層部(あえてこう呼ばせていただきます)に
する言葉のひとつひとつも人間くさく、
なおかつ「男役」じゃなくて「男」でした。

ジョセフィーヌとのラブシーンもそのひとつ。

はっきり言って、キスシーンも「してるんでしょ?ねぇ、してるんでしょ!?」という
相変わらずの5センチ仕様でちえねねの「本当にしてる」ラブシーンは
永遠にファンによって語り継がれるでしょう…

「ちょっとしすぎじゃね!?」

っていうのもご愛嬌ですよ、この際。
開始30分のナポレオンとジョセフィーヌのキスの嵐は
SS席センターに座ってるどう見ても小学生女の子二人組には
早い気がして

「さあさあ、お姉ちゃんがかわってあげるからね」

と声をかけたくなるの必死で我慢したよ(SS座りたいだけという欲望のみ)。
ぐるぐる盆が回る中ぐるぐる追いかけっこをしながらキスをしまくるちえねね…
あ、あれ、これなんの話でしたっけスペクタクルミュージカルですよね(思わず確認)。

そして今年最初で最後の「ねねは俺の嫁やで」魔法にしばし酔いしれる。
私さっきからラブシーンの話しか話していませんがそれは避けられないのよ、
それなしでは語れないのよこのスペクタクルミュージカル。

だってそこにちえねねの真髄があるんですもの、歴史に愛は必要なのです。

フランス物にアムールがなくてどうする。

まぁ1番ドキドキしたのは柚希さんが「ねねさま以外の子とラブシーンしてる」ってことも
重要なことかと思いますけどね。
キサキアイリちゃんの破壊力抜群の愛らしいルックスにねねさま危機感で
お倒れになります(単にジョセフィーヌの余命)。

子ができなくても、皇后であり続けねばならない重圧。
離れないナポレオンの影。ねねさまの背後にちらつく柚希礼音の影に、
ゴールデンコンビ(=浮気だめ絶対反対)の重さがのしかかる。
さて、私今年年末の星組さんの理事降臨に耐えられるでしょうか、教えて詳しい人。

柚希さんの話に戻ると、まだ雪合戦をしている青年期から失脚する晩年のナポレオンを
今できるのは柚希さんしかいないのではないかしら、と思います。
まずあの衣装を着こなせて圧倒的存在感、カリスマ性を醸し出すことができるのは
星組トップスター柚希礼音のみ。
遠征ともなれば少年のような目の輝きで踊る柚希さんは、
円熟期の極みにいらっしゃる。

あ、ロミオのときもそう言ったかもしれないけど(つまり柚希さんは毎回円熟期)。

就任4年目にしても観客を飽きさせない芝居とダンス、この人きっと養命酒
毎日飲んでいらっしゃるのだわと錯覚させる若々しさ(正確にはオロナミンC)。
特にナポレオン人生の絶好調期にあたる戴冠式の場面は眩しくて
目が張り裂けそうになります。
徹夜した夜明けの朝日のようです。

ローマ法王を制して自分で王冠を取り上げる様はナポレオンって
こういう人だったんだわと思わせる演技。説得力が違う。
いるだけでナポレオンで、いるだけで星組トップスターのカリスマ。
各遠征は桜木先生振付のダンスを誰よりも輝きながら踊るその様は
見ていて「気持ちいい」のひとことにつきます。


あと、老いたナポレオンがあまり描かれなかったのも私はよかったと思ってます。
変に流刑された後のナポレオンは書かれず、

「かっこいいフランスの英雄」

のまま芝居は終わります。

きれいなままで描いた鮮やかなナポレオン。

歌い上げ、大きな背中を私たちに見せつけながら振り返らずドライアイスの中に
消えていく柚希礼音。
幕が降りる最後は思わず拍手をずっとしていたい衝動にかられるのです。
ナポ礼音万歳。

あと、なんでフィナーレSHUN先生じゃなかったの?私は100周年の幕開きは
ぜひSHUN先生×柚希礼音でってお願いしてたよ!?(←どうにもならない大人の事情)。


…ナイアガラバッサーで許す、めでたい正月公演の100周年の幕開け(何様)。
 

【夢咲ねね】 ジョセフィーヌ


…当たり役ですね(個人的に)。

ナポレオンのことを「こいつ絶対出世しねぇ」と思いながら
「大砲の匂いがする人は好きよ」といい、結婚したらしたで
「ちっ、手紙うぜぇな」と返事は書かない、若くてハンサムなぽこちゃんと
情事をはたらき柚希くん嫉妬の炎で燃え上がり、ねねさま余裕の笑みでそれをかわし、
最後はナポレオンのこと本気で愛してるから世継ぎが産めない自分と別れた方がいいと
判断→離婚→しかし皇后の座と慰謝料はたっぷり。

どうですか、このねねさまのはまりっぷり(語弊)。


※あくるさんは夢咲ねねさんが大好きですよ。


公演が決まった時から「ぃよっしゃぁ!!ねねさまジョセフィーヌ!!!」と
テンションはMAXでしたが予想以上の出来上がりにあくるさん涙まじりに
ちえねね芝居をただただ見つめる。

少数派なのは知ってていうけど、「琥珀色の雨にぬれて」のちえねねが
嫌いじゃなかったので今回の

「じゃあ結婚届けはあなたはお兄さんの生年月日を書いてね。
私は妹のを書くわ」

という知恵が働く瞬間から

東京フレンドパークのホッケー事件そのままの女王っぷりやん…!!!」

となってしまった私。
あれ、夢咲ねねさんってジョセフィーヌの子孫がなんか?(違う)。
こういう役ほんと夢咲ねねさまの十八番だよね。
しかもそれが全然嫌にならないっていう魔法を持ってらっしゃる。
ねねさまは私の見解では「女優」感はまるでなくて、いい意味で「宝塚の娘役」なんですよ。
それ以下にも、それ以上にもならない、夢の世界の持ち主。
だからリアル漢・柚希さんの横にいてもいいバランスで成立する。
そこがちえねねのいいところだと思っています。

リアルなんだけど、夢夢しすぎないところ。

リアルは柚希さん担当で、夢夢はねねさま担当。
絶妙な塩梅で成り立っているゴールデンコンビです。

 
ところで、ねねさまの浮気相手がしーらんではなくぽこちゃんだったことに
心から安堵しているのは私だけでしょうか…。

 
いや、しーらんだったらシャレにならん感じがして。

 
自分の力の限界を感じ、ナポレオンの離婚願いを受け入れる
ジョセフィーヌが見てて切なかったです。ジョセフィーヌもひとりの女性なのにね。切ない。

次、番手が固まってるって素晴らしきことかな、紅ゆずる真風涼帆編。