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宙組「シャングリラ-水之城-」【CS鑑賞】大空祐飛のSFファンタジーが見れる!

さて、ちょっと昔の見ていない公演を見ようと思い
CSで放送された「シャングリラ」鑑賞。当時、あまり宙組さんに縁がなく
見逃していた公演だったので再放送されるという朗報を聞き
飛びついて録画をしていた。

印象は「さすが萩尾望都マニアの小柳女史オリジナル作品だな」というのと、
「大ちゃんが非常に渋谷系(震)」ということである。
小柳女史は少女マンガ界の大御所・萩尾先生の大ファンということは
有名な話だが(私の中では有名。「アメリカン・パイ」を舞台化するのは
小柳女史しかいないと当時元祖貴公子男役貴城けい主演でやった時確信)
原作が萩尾作品ではないけれども、この「シャングリラ」、非常に

「ああー、萩尾先生が好きな人の作る世界観だなぁ」

と思う。全体的にクレバーな作りであり、SFファンタジーという部類に
わけてもいいと思う。水を封印、とか、近未来、とか、役名の雰囲気、とか(笑)
萩尾作品で育った人の作り、なおかつ少女マンガ大好き!!的な。

まず、トップ大空祐飛のソラのキャラクターが女子憧れのままである。
正義感が強く、弟思いであり、なおかつ血が通っている仲間思い。
恩を忘れない、実直な青年。そしてヴィジュアル面が非常に無双(笑)
個性的なお衣装を着こなし、(革ジャンにもみじのプリントって・・・!!
ぼくは有村先生のデザインする衣装がときどきものすごく怖い)
精神面も体力的にも強い。ちー様を殺すところも
(Ⅰ幕の最後、蓮水ゆうやを誤って銃で発砲)
見てる側もやってる側も、キャラも引きずるところではないかと思うのだが
2幕が始まると忘れてしまう。これが大空祐飛の力なのである。

「何が起こっても肯定させる説得力」

トップにとても必要な力だと思う。今の壮さんにも言えることだし、
蘭寿さんにも言えることなのだが主人公がちょっと
KYだったり(ex.ベルばらフェルゼン。フェルゼンってものすごいKYな人だと
じいの脚本からだと思う。原作はそうにも思わないのだが、宝塚版フェルゼンは
王妃様の恋人でなければただの空気の読めないスウェーデン人だと思う)
(個人的な意見です。フェルゼンファンの方すみません)
私もまだ見ていないのでなんともいえないけれど初日やナウオンを見てると
壮さんのフェルゼンってものすごく肯定された正しい!あなたの言うことは
すべて正しい!!という言うことにうんうんと頷いてしまえるフェルゼンだと思うし、
蘭寿さんの「オーシャンズ11」だって結局は詐欺師なわけだし。
法律すれすれだけれどイチから登りつめ、結局自分の力で成功している
ベネディクトはいろんな人を利用した悪人ということだけれど一般的には詐欺師の方が悪。
そして犯罪(金庫破り)で仕返しという一般論からすればオーシャンズ11
正義ではない。
けれど、なーんか、わかんないけど「ダニーが正しいよ!」となる。

この、「なんか、わかんないけど、トップさんが正しいよねえ」

となる納得がいく人を演じられる人になれればトップになる素質は
いくらでもあると思う。堂々とした「何と言われようとも俺は絶対間違っていない!!」という
自信とそれを納得させる演技力があれば、スターは申し分ない。

話がそれましたが、ゆーひさんは間違いなくその
「トップさんに必要な説得力」がすごいある。
正直、この作品は演者のジェンヌさんがものすごく隙間を埋めてる感がある。
私は小柳女史の作品の「少女マンガ」気質が大好きですが
「これはちょっと無理かろう」という部分がこの「シャングリラ」にはある。
だいたい、近未来のはずなのに小道具設定が妙に古かったり、
根本的に「「旅一座・・・好きですね・・・」という感じだし、
銃社会があんなに発達しているのに誰も何もいわなかったり(警察すら出てこない)
だいたいかいちゃんがパソコンを知らないなんてありえない
(それは歌劇やグラフの読みすぎです)(現実と舞台をごっちゃにする
私のいけない点)

ちょっとした矛盾もある中で演者のゆーひさんはじめとする宙メンバーの
思い切りのある演技でずいぶん助けられてるような・・・気が・・・しないでもない。

話を戻して、ゆーひさんのソラは最初は結構頼りない。
記憶をなくしているからか自信がなさげで美雨にいろいろ助けてもらっている。
ただし!後半の怒涛の展開で私は思わずクギヅケに。
特に特筆すべきところはみっさま演じる死んでしまった弟の海を抱き、絶叫するところ。
ゆーひ氏の演技力爆発。私はついボロボロと泣いてしまった。

ゆーひさんはね、普段「こんなドライな人、なかなかいないから男前」的に
とらえられていたんだけど(私は)舞台ではすごい血の通った人間するんだよね。
絶妙なさじ加減で。古い話、「血と砂」からでも(あの破壊力満点のサイトー芝居)
(もうあの破壊力、忘れられないよ・・・)(あらゆる意味で・・・)

この「シャングリラ」も「で、結局シャングリラってーのは、それでよかったの?」と
思うんだけど(いいということなんだよね?)
(東の海の見える田舎で子どもたちを引き取って育てているという
なんともいえないヒーロー像)(人殺してるのに←しつこい)
ま、これから美雨と幸せになるんだろうから、なんというか、
「よかったね、きっと天国の海も「兄さん!よかったね!」って思ってるだろうし、
私たちもなんか幸せな気分になれるし」
というヅカファン特有の「主人公がハッピーエンドだったらそれでいい」感満載の
作品(笑)

まあさ、ちー様は死んじゃったけど、みっさまも死んじゃったけど、
なんか結構振り回されてる人もいたけど、ゆひすみがくっつけばとりあえずいいじゃん?
そして結構泣けるじゃん?この世界観嫌いじゃないし!

と、彩吹真央主演「シルバー・ローズ・クロニクル」でも思ったことが
一緒だということを書いていて気付く。あの作品も微妙な萩尾具合だった・・・。

どこまで好きやねん、小柳女史!!影響されてんなー。
やっぱ育った環境ってのは作品に影響されるよね。特に宝塚座付は。
そういう意味では、サイトーの家族構成とかすごい気になるな。
お姉ちゃんがいたら完璧だな(なにが完璧なのかさっぱりわからんけど、
サイトーのあの世界観は人生に女子がいなかったらない気がする・・・)

あと、完璧悪役ではないけど主人公と考え方が違うという意味で悪役の
悠未さんには悪役専科の異名を持つ理由がわかる(笑)
すごいよね、ともちんの悪役スターぶり。うん、好き。(え?)

あと最初にいった大ちゃんの渋谷系男子具合ね。
どうなのよ、たぶん地毛だと思うんだけど、鬘でもいいけど
あのギャル男(死語)系は。たぶん私あんな人ハチ公前にいたら
無言であんまり近寄らない(ひどい)。
でも基本いい人だから、見た目で判断しちゃだめだよねってこういう人生論も
教えてくれるんだよ。宝塚って。ねえ、お母さん。いいところだよね。
かいちゃんにこんぴゅーたーってことばおしえてくれるんだよ
(なんだその棒読み)
(大ちゃんが言ってるんじゃないんだよ!小柳女史の脚本だよ!)

あと私なら触れておかなきゃいけない(誰がそんなこと決めた)蘭寿氏は
最初から最後までひとりスーツ。なぜ。
最後はせーこちゃんの腰抱いてたし、せーこちゃんといい感じてことでいいんですか。
ちょっと蘭寿さんの使い方物足りない。
でも「あーぁ」がアメリカンだった。あの人絶対前世アメリカ人だよ、間違いない。
一筋たらした前髪がエロかった・・・好き・・・(はいはい)。
(みなさんわりと慣れてきたようだよ)
(ありがとうございます)

たらちゃんがやっぱ私ヴィジュアル好きだー。
今回、きゅっとポニーテールなんだけど、で、大ちゃんの相棒的存在なんだけど
ふたり絶対なんかある(確信)。
っていうか、あんないい女大ちゃんがほっとくわけない
(そんな話ではないです)。

みっさまは今回は使い方がもったいないかなー、と思った。
もうちょっと書き込みがあればもっといいと思う。その書き込みがなんならいいのかは
私は素人だからわかんないけど(ひどいこの人)(小柳女史にすべて押し付けてる)
でもゆーひさんとみっさまが兄弟、という設定だけでなんか萌え。
なんかあんな兄弟近所にいたら勝手に差し入れとかしちゃいそう
(野球部マネージャーか)(というかその時点でジェンヌ扱い)
(差し入れ日常だよね、ジェンヌさんて)。

かいちゃんがナレーター的扱いで嬉しい。
あれでしょ、あの人ああいうこと好きなんだなっていう。
むしろこの作品書いたの七海ひろきって人でしょ的な
(だからヲタク系文化女子扱いやめろって)
(でもかいちゃんの好きそうな世界観だよなって思う)
(シューイチローとか小柳女史とか話が合いそうな演出家多いと思う)
(全部「思う」だけど!)(中のことはわかんないよ!)

小柳女史とは細かいところまで話を詰めてそう。
(でも、中のことはわかんないよ!)

そんなシャングリラ。いろいろ言ったけど、なんとなくライトな気分で楽しめます。